西郷真央も西村優菜も星野陸也も! なぜ“全英でロストバゲージ”は頻発するのか? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

西郷真央も西村優菜も星野陸也も! なぜ“全英でロストバゲージ”は頻発するのか?

今週開催のAIG(全英)女子オープン。男女の「全英」でいつも話題になるのが「ロストバゲージ」です。今回も西郷真央や西村優菜が災難に見舞われました。なぜスコットランドではロストバゲージが頻発するのでしょうか?

男女の全英では風物詩のようになったロストバゲージ

 今シーズン最後のメジャー大会であるAIG(全英)女子オープンが、スコットランドのミュアフィールドで開幕。このゴルフの聖地スコットランドで、メジャー制覇を目指すゴルファーたちが相次ぐ試練に見舞われています。

災難に見舞われているにもかかわらず、気丈にいつもと同じ笑顔を見せる練習ラウンド中の西村優菜 写真:Getty Images
災難に見舞われているにもかかわらず、気丈にいつもと同じ笑顔を見せる練習ラウンド中の西村優菜 写真:Getty Images

 出場者の一人で、パリから到着したばかりの西郷真央選手のキャディーバッグとスーツケースが、エジンバラ空港で紛失していると報道されました。キャディーバッグは翌日に空港で見つかったものの、スーツケースはまだ見つかっていません。

 西郷選手ばかりではなく、同じトラブルに見舞われた選手として、西村優菜選手、橋本美月選手の他、星野陸也選手も先月行われた全英オープンの帰国便でロストバゲージに遭っています。

 プロのクラブセッティングは、最新のモデル以外に長年愛用してきた旧モデルのクラブもあります。西村選手のショートウッドは、アマチュア時代から愛用する7年前に製造されたモデルで、今では手に入りにくいものです。

 過去を遡っても2019年に全英オープンに出場した際の藤本佳則選手、20年の全英女子オープンの際には勝みなみ選手も同様のトラブルに見舞われました。どちらも、試合当日までにはクラブが届き、どうにか事なきを得ました。

 しかし、07年にグレンイーグルスで行われたジョニーウォーカー選手権に出場したジーブ・ミルカ・シン選手の場合は、新しいクラブセットの手配が試合前夜までかかり、当日朝に初めて手にしたクラブでプレーをしました。でありながら、シン選手は初日3位タイとなる67ストロークの好スコアをマークし、見事に試練を克服しました。

 このように、スコットランドに向かう国際便でロストバゲージに見舞われるケースは後を絶たず、異国の地で大事な商売道具のクラブをなくしたプロの心境をおもんばかると、いたたまれない気持ちになります。

 一般のゴルファーに置き換えても、憧れの聖地スコットランドへのゴルフ旅行で、大切なゴルフ道具がなくなってしまったとしたら……想像しただけで気持ちが沈んでしまいます。

最近の旅行需要の回復でカオスな状況に拍車

 なぜ、そんなに英国でのロストバゲージは多いのでしょうか。専門家に聞いてみました。

「その原因は特定できない」となかば諦め顔で話すのは、官公庁専門の公務旅行で30年余り旅行業界に携わっているエスプリツアーの岩楯高嘉氏。ゴルフトーナメントでクローズアップされる機会が多いため英国が目立つだけで、同じ欧州で旅客取扱数が多いパリでもアムステルダムでも起こっていることだと言います。これだけのベテランである岩楯氏がそう言うのですから、旅行業界にも定説と言えるものはないのでしょう。

 ただ、ここ最近とみに目立つようになっている背景には、コロナ禍ならではの事情があるようです。

 新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界中の空港で大量の人員整理が行われました。それがここに来て急激に旅客が戻りつつあります。空港スタッフの増員が世界的な旅行需要の回復に追いついていないために、スタッフ不足が原因で荷物の積み残しが発生したり、タグの付け間違い等の事務処理でのミスが増えていることも理由の一つだと考えられます。

 今回のロンドンやエジンバラでのロストバゲージのケースは、世界的なコロナからの回復を裏付けるニュースとも言えるわけです。そうは言っても、そろそろ海外旅行を再開したいと考えている人にとっては、尻込みしてしまうような情報ではあります。

「ロストバゲージは日常茶飯事。でも多くは1日遅れで届くので心配はいらない」と言うのは、旅行業界の実務に精通したトラベルアンドコンダクターカレッジ校長の塚越公明氏。ロストバゲージは旅行者の過失ではないため、航空会社へのクレームの他、海外旅行保険に付帯している携行品損害保険金でカバーされるのが通常です。

「旅行会社の主催する企画旅行に参加する場合には、特別補償規程による携帯品損害補償金の対象になります。実損害額に応じて1企画旅行につき15万円まで、対象品1個(1対)の限度額が10万円までと定められています」(同校講師・福原美穂氏)

個人で行えるロストバゲージへの自衛手段とは?

 現在極度に悪化している、欧州でのロストバゲージについての対策は、実際には限られているとのこと。では、どのような自己防衛策が考えられるのでしょうか?

1.貴重品は預けない

 ロストバゲージは当たり前に起こり得ることだと、まずは覚悟をすることです。限定品の高価なパターや、一点物のヴィンテージのゴルフクラブなど、海外の憧れのゴルフ場を訪れてお気に入りの道具でプレーすることで得られる満足感は格別なものです。

 一方で、万が一のロストバゲージに備え、本当に大切なものは持っていかないのが、一番有効な対策です。どうしても持っていきたい場合には、アップルのエアタグ等、GPS発信機をキャディーバッグに忍ばせておくというのも対策の一つとなります。

2.携帯品補償の任意保険に加入する

 ゴルフクラブを紛失した場合の補償は、まずは航空会社の補償規定により行われます。

 また、旅行会社のツアーに参加している場合には、特別補償規定による携帯品損害補償が受けられます。補償額には上限が定められていますが、ツアーに参加することで得られる補償と、航空会社へのクレーム手続きのサポートを同時に得られるメリットを考えると、海外旅行に慣れたゴルファー以外の方々には、こういったツアーに参加するという選択肢も有効です。

 さらに、旅行の際に海外旅行保険に携行品損害保険の付帯しているものを選び加入することで、補償については万全と言えます。

3.旅程に余裕を持つ

 ロストバゲージとなった荷物が手元に戻ってくるまでの平均日数は約1週間ですが、翌日には見つかるものも多いため、到着した空港や滞在先のホテルで数日後に紛失した荷物を受け取れる可能性は高いと言えます。

 旅先で到着した翌日から精力的にゴルフをしたい気持ちも理解できますが、日程に余裕を持って、万が一のロストバゲージの際にも慌てずにゴルフを楽しめるように、旅程の中でゴルフの計画には余裕を持つことも大切です。

【写真】「日本の皆さんに寒さをおすそ分け」ニット帽にダウンの西村優菜

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