中古ショップのクラブは安心して買える!? 本物or偽物はどうやって判断しているのか

お財布にやさしい中古ショップですが、新品と違い絶対に本物と言えるのかどうか、不安になることもあります。中古ショップではどのようにして偽物が出回ることを防いでいるのでしょうか。

ゴルフパートナーが中古クラブ買取の資格制度を新設

 新商品のクラブを買いたいけれど、予算が合わない時に便利なのは中古のゴルフクラブです。型落ちのモデルであれば、新商品の半分以下の価格で買える可能性があります。ゴルファーにとってはありがたい存在です。

素人にはよく見ても模倣品とは分からないものも多く存在する 写真:AC
素人にはよく見ても模倣品とは分からないものも多く存在する 写真:AC

 ただ、購入するゴルフクラブの価格や品質が安心なものかどうか不安なところもあります。ゴルフクラブに限らず、模造品やコピー商品がインターネットのサイトなどで販売され問題となっています。特許庁が今年6月に発表した「模造品・海賊版対策の相談業務に関する年次報告」でも「インターネット取引関連の相談・情報提供が1300件以上あり、フリマアプリなどインターネット上の個人間取引における模倣品出品に関する相談・情報提供が多数寄せられている」とのことです。

 ゴルフクラブでは、特に、ゼクシオ等の人気商品で過去、偽物が多く出回り、外観がそっくりでその対策に苦慮したことがあります。この点について、ゴルフ用品のメーカーや小売店の業界団体である日本ゴルフ用品協会(JGGA)の専務理事新居秀樹氏に聞いてみました。

「偽物・模造品対策として、2012年から専用のホログラム入りのJGGA推奨の模倣品対策ラベルをつくりました。メーカーの純正品であることを明示するこのラベルの使用をクラブメーカーに推奨し、業界全体で模倣品クラブ撲滅に取り組んでいます」

 このラベルはダンロップ、ブリヂストン、ミズノ、キャロウェイなど累計で29社が使用しています。

 しかし、中古クラブでは、それがメーカーの正規品かどうか、さらに判断に困ってしまいます。そのような状況の中で、全国で400店舗以上を展開する総合ゴルフショップ「ゴルフパートナー」では、中古クラブの流通・健全化に向けて、社内で体系的な知識習得と技術向上のため「買取マイスター資格制度」をスタートさせています。

 この社内資格を取得するためには、1次試験での筆記試験(買取可否に関する問題、各メーカー商品知識問題等)、2次試験での実技試験(査定オペレーション、買取不可/真贋確認等)など50項目を超える基準をクリアする必要があるとのことです。

すでに100名以上がマイスターの資格を取得

模倣品追放に社を挙げて取り組むゴルフパートナー(写真は埼玉県・カゴハラゴルフクラブ店)
模倣品追放に社を挙げて取り組むゴルフパートナー(写真は埼玉県・カゴハラゴルフクラブ店)

 ゴルフパートナーの店舗運営に従事する全スタッフは、この「買取マイスター」資格を取得することを目指し、すでに100名以上がこの資格を取得したとのことです。この制度を運用するゴルフパートナーの販売企画課の杉田憲彦氏に、真贋の判定をどうしているかについて確認しました。

「弊社は全国に400店舗以上あるスケールメリットもあり、市場に出回る偽物・模造品については、早期に本部が情報収集できる体制にございます。本部には中古価格や商品知識に精通した専門のスタッフがおり、それら本部で集約した偽物・模造品のデータベースを全国の店舗と共有することを行っております。また、一部判断が難しい中古品については、メーカー様のご協力を頂き判断をする場合もございます」と、ユーザーが安心して買取をご利用いただける環境づくりにつとめていると言います。

 また買取価格についても「査定価格については、以前から現在に至るまで、中古相場の需給バランスをもとに、弊社の査定システムで価格を算出しております。さらにお客様に分かりやすい中古相場の説明や、査定時の目利きの向上などを目的に、『買取マイスター』資格制度を導入致しました」とのことです。

 中古クラブを安心して買うためにも、模造品シールの確認やショップの店員さんに欲しいクラブについて深堀して聞いてみるのが良いのではないでしょうか。

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最新のホログラム技術を盛り込んでリニューアルした「模倣品対策ラベル」
模倣品追放に社を挙げて取り組むゴルフパートナー(写真は埼玉県・カゴハラゴルフクラブ店)
素人にはよく見ても模倣品とは分からないものも多く存在する 写真:AC
模倣品追放に社を挙げて取り組むゴルフパートナー(写真は埼玉県・カゴハラゴルフクラブ店)

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