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- 5億? 10億? 30億!? ゴルフ場のクラブハウス建て替えにはどれくらいお金がかかる?
豪華な建物が圧倒的に多いゴルフ場のクラブハウス。しかし、建設ラッシュがあった1980年ごろに開場したゴルフ場では、これからクラブハウスの建て替えが必要になる場合も。クラブハウスの建て替えにはどれぐらいの費用がかかるのでしょうか?
コンセプトによって金額が変わるので一概には言えない
古いゴルフ場に行くとクラブハウスがかなりさびれていて、「このクラブハウスはそろそろ建て替えたほうがいいんじゃないか」と感じることがあります。
大手ゴルフ場運営会社は一時期、開場50年を経過したゴルフ場のクラブハウスを次々と建て替える設備投資を行なっていましたが、最近はあまり聞かなくなりました。

ゴルフ場のクラブハウスの耐用年数が50年だとしたら、この国でゴルフ場の建設ラッシュが起こったのは1980年代ですから、これからクラブハウスの建て替えラッシュが起こるはずです。
でも今のところそんな気配はまったくありません。そのあたりの事情についてゴルフ場関係者に聞いてみました。
「今の日本のゴルフ場のクラブハウスは、耐震構造のことを考えるとほとんどの施設が建て替えなければなりません。しかしながら建て替える予算がないので、必要最低限の耐震補修工事を行なって耐震許可を取っているケースが多いようです」
「クラブハウスの建て替えにいくらかかるかというのは、クラブハウスのコンセプトによって金額が大きく変わりますから一概には言えません」
「ただ、一つの目安としまして、一般的な18ホール営業のゴルフ場は1日200人のお客様を迎え入れるためのロッカールームが必要ですし、レストランもお風呂場も必要ですから、10億円から20億円くらいかかるのではないでしょうか」
「その金額を捻出するのはどこのゴルフ場も難しいでしょうし、それだけのお金をかけてクラブハウスを建て替えたからといってお客様が倍増するわけではないですからね。『投資した資金をどうやって回収するの?』ということを考えたとき、建て替えたくても建て替えられないゴルフ場が多いと思います」
クラブハウスの建て替え資金がないからゴルフ場ごと売りたい施設もある
2011年3月の東日本大震災で、東北地方を中心に多くのゴルフ場のクラブハウスがダメージを受けました。
福島県のゴルフ場は震災をきっかけに営業を停止し、そのまま廃業を決断した施設が10コース以上ありました。その要因は福島原発の問題もありましたが、コースとクラブハウスの損傷が最大の要因でした。
現在も営業を行なっているゴルフ場も少なからず被害を受けました。その後、クラブハウスを一度取り壊して更地にしてから建て直したという話はほとんど聞きませんでしたから、どのゴルフ場も補修工事で必要最低限の耐震基準を満たしているのだと思います。
「東日本大震災のときは福島県のゴルフ場だけでなく茨城県のゴルフ場でもレストランの天井が落ちたり、天井のシャンデリアが落ちたり、大理石の柱が崩れたりする被害がありました」
「そういった被害を一気に補修する予算なんてありませんから、少しずつ予算を取って、役所の検査に通る必要最低限の補修をコツコツと行なっているゴルフ場がほとんどです」
「でも、それすらも現実的に難しくなっているゴルフ場が増えていると思います。クラブハウスを建て替えるお金なんてないから、もう売りたいと考えているゴルフ場もあるでしょうね。過去にはゴルフ場の買収条件にクラブハウスの建て替えが含まれているケースもありましたから」
2021年に入ってから千葉県で既存のゴルフ場を閉鎖し、新しいゴルフ場にリニューアルする動きがいくつか見られます。
八幡カントリークラブは2021年10月に閉鎖し、ザ セイントナイン東京という名称でリニューアルオープンすることが公表されています。
また、デイスターゴルフクラブも2021年12月に営業を終了し、現在閉鎖中です。新オーナーは某有名実業家の名前が挙がっています。
クラブハウスの建て替え資金がないゴルフ場は、富裕層がゴルフ場ごと買収し、クラブハウスを建て替えてリニューアルオープンする時代がこれから訪れるのかもしれません。
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