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- 「もう行かないんだよな…」 会員になったゴルフ場の年会費未納を続けるとどうなる?
ゴルフ会員権を購入すると、毎年発生するのが「年会費」。うっかり払い忘れてしまったり、またプレーをしなくなったので支払いを無視している場合は、どのように扱われるのでしょうか。専門家に聞いてみました。
ゴルフ場によっては「除名勧告」されることもある
ゴルフ会員権を購入しメンバーになると、入会した月からほとんどのゴルフ場で請求されることになる「年会費」。
初年度は、年会費を12カ月で割った金額×コース入会月~該当月分を入会時に支払いますが、2年目からは年に一度、当該コースの年度末に請求書が届き、そのコースの年度初めに一括で払うのが通例です(※ゴルフ場によって年度末、年度初めは異なります)。
メンバーになるとプレーをするしないに関わらず、ほとんどのゴルフ場で毎年支払いの義務が生じる年会費とは、そもそもどういったものなのでしょうか。

メンバーから徴収される年会費は、ゴルフクラブにとって大きな収入源であり、一般的にはこの原資をもとにコースや練習場の整備、クラブハウスを始めとした設備の改修などが行われます。
集められた年会費は、メンバーライフがより豊かになるよう、プレー環境を整えるための資金として、長期的な計画に基づいて使用されるわけです。
ですから、年会費を滞納するメンバーが増えてしまうとゴルフ場にとっては貴重な収入が減ることになり、環境整備の充実はおろか、ゴルフ場の経営自体を圧迫する要因となるため、未納のメンバーには年会費を支払うよう、ゴルフ場からの督促が始まります。
督促状は支払いが確認されるまで継続的に送付され、それでも支払いがなされない場合は未収の債権として積み重なり、長期に及んだ場合には訴訟の対象となる可能性もあります。
またゴルフ場によっては年会費の支払いが数年に渡り滞ると、最終的には除名勧告される場合もあるようです。
退会手続きが面倒!? わざと未納して除名処分を狙う人も……
充実したクラブライフを夢見て会員権を取得し、晴れてメンバーになったというのに、ゴルフ場から請求される年会費を滞納し続けて除名になる人なんて、実際にはいるのでしょうか。ゴルフ会員権を専門に扱う加賀屋ゴルフ代表の前田信吾さんに伺ってみました。
「除名になる人は実際にいますね。苦労して会員になられたゴルフ場では、こういった話はほとんど聞きません。ですが、深く考えず簡単に入った場合には少なからずあるようです」と前田さん。
「また『無価値化して売れない会員権を持っている。そんなコースの年会費は払いたくないからゴルフ場に会員権を引き取ってもらえないか』といったような相談もあります。一部のゴルフ場では“休会制度”を設けている場合もあるのですが、条件が定められているケースが多く、必ずしも休会を認めてもらえるわけではないようです。退会手続きに関しても、いろいろな手続きを踏まなくてはならないので、面倒に思われる方が一定数いるのは事実でしょう」
確かに、価値が著しく低下してしまった会員権のコースに年会費を支払ってまで通い続けたいとは思えないメンバーの気持ちも、わからないわけではありませんが……。
「そうですね。そうなると、決して良いことではないのですが、預託金があるコースに限って言えば、わざと年会費の未納を続けて『未納金は預託金と相殺してもらい、その後は除名されても構わない』という方も出てくるわけです」
メンバーのこういった困った行為に対して、「意図的に除名処分にしないケースもあります」と前田さん。
「そのうち会員の気持ちが変わって納めてくれることがあるかもしれません。ここはルールに則って、継続的に督促状を送っておくけれども、メンバー側が未納を続けたとしても、預託金のことを持ち出されるとゴルフ場も困るので、ゴルフ場側もあえて何もせず、そのままなんとなく互いにフェードアウト……という、稀ではありますが、このようなケースもあります」
上昇傾向にある年会費。“メンバー重視”かどうかを見極めよう!
どのような理由があるにせよ、本来支払うべき年会費を滞納するのは決してよいこととはいえません。お互いにとってプラスにならない、このような状況を招かないためにも、ユーザー側が事前にできることはあるのでしょうか?
「一番は、入会前によくゴルフ場を吟味することだと思います。ここ数年、ゴルフ場の年会費は上がる傾向にあります。年会費は毎年支払わなければならない維持コスト。軽く考えると将来後悔する羽目になります。入会を希望しているゴルフ場の経営状態はもちろん、メンバー重視度、長期改修計画など、できるだけ多くの情報を入手しておくと良いでしょう」と前田さん。

「一念発起してせっかく入会するゴルフ場なんですから、ゴルフライフをつまらないものにするのはもったいない。そのためにも僕は“会員じゃないと予約が出来ないコース”や“預託金を返しているコース”、“毎年決算をキチンと発表しているコース”や“名簿を発行しているコース”をオススメします。これらは全部、メンバー重視に直結する内容ですからね」
さらに前田さんによると、“休憩は40分程度、2時間15分以内のプレーを推奨していること”や、“フリーでも受け付けが可能”、また“練習場が整備されている”ことなども、ゴルフ場側がメンバーを大事に考えているかどうかがわかる、ひとつの目安になるとのことです。
入会前にいろいろと吟味したにも関わらず、「もう年会費は、これ以上納めたくない」と思う場合は、その時点で売却できるものはできるだけ早く売却するのも、ひとつの手。運悪く無価値化して売却できないような会員権を持ってしまった場合は、滞納を続けるよりも一度専門家に相談してみるとよいでしょう。
【監修】加賀屋ゴルフ代表 前田信吾さん
ゴルフ会員権取引を行う加賀屋ゴルフ代表取締役。ここ10年は、2日に1回の割合でラウンドを楽しむゴルフの達人(昨年は年間229回!)。独自の視点を生かしたゴルフ場の比較&検討に定評アリ。
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