ワンペナの「トラ杭」には“やさしめ”と“厳しめ”2種類あるの気づいてた? 杭にまつわるローカルルール

ゴルフ場に付き物なのが、色とりどりの「杭」です。最も一般的なのがペナルティーエリアを示す赤と黄、OBを示す白、修理地を示す青ですが、ローカルルールでは他にもさまざまな杭があります。

赤、黄、白、青の杭にもレアバージョンが!?

 ゴルフコースには数種類の杭が立っています。一般的には「赤杭」「黄杭」「白杭」「青杭」の4種類です。

河川敷コースのトラ杭はちょっと曲げると入ってしまうので萎えますね。しかも全然普通に打てる場所だったりもするし… 写真:AC
河川敷コースのトラ杭はちょっと曲げると入ってしまうので萎えますね。しかも全然普通に打てる場所だったりもするし… 写真:AC

「赤杭」はレッドペナルティーエリアの縁を定める。もしくは地面に赤線が引かれている場合は、レッドペナルティーエリアであることを標示しています。

 同様に、「黄杭」はイエローペナルティーエリアの縁を定めるか、同エリアであることを標示。

「白杭」はOBの境界縁を定める。

「青杭」は、修理地の縁を定めたり、修理地であることを標示するために立てられます。ゴルフコースによっては「青杭」の代わりに「白杭」が使われることもあります。OBの白杭との違いは、長さが短く、簡単に引き抜けることです。

 また、滅多に出合いませんが、上部に緑のペイントが付加された「赤杭」や「黄杭」、同様の「青杭」や「白杭」もあります。

 これらはR&Aが推奨するもので、ローカルルールで、それぞれ「プレー禁止のレッド(またはイエロー)ペナルティーエリア」と「プレー禁止の異常なコース状態(多くは修理地)」のエリアであることを示しています。

 他には、グリーンまでの残り距離を示す「ヤード杭」があります。

 通常は、茶系のナチュラルカラーの杭に、白や黒のライン(横縞)が1~3本引かれています。1本は残り100ヤード、2本は同150ヤード、3本は同200ヤードとするゴルフ場が多いようです。

 ただし、その距離表示ですが、「グリーン手前エッジ表示」と「グリーンセンター表示」の2種類があります。「ヤード杭」を参考にプレーする際には、事前に確認してください。

 また、「ヤード杭」がホールの左右に立つゴルフ場があります。これは、そのゴルフ場が2グリーンだからで、そのホールは左右どちらの「ヤード杭」が使用グリーンまでの距離なのか。これも事前に確認することです。

境界線を起点にするか止まった場所を起点にするか

 途中に横縞が入った杭といえばもうひとつ、一般に「トラ杭」と呼ばれる標示杭があります。

 黄色地に黒のラインが複数本描かれた杭で、河川敷コースでよく見られます。並行するホールが隣接する場合、あるいはホール間が急傾斜地で、プレーの進行や安全面の理由からプレー禁止としたいときに採用されるローカルルールです。

 ローカルルールなので、「トラ杭」が示す境界を越えて止まったボールの処置は各ゴルフ場によりますが、多くは「プレー禁止」のうえ、下記の2つの救済処置があるようです。

 いずれも1打のペナルティーで「境界を最後に横切ったと思われる地点から2クラブレングス以内にドロップ」。

 もしくは「ボールが止まっている位置、もしくは止まっていると思われる位置とホールを結んだ等距離のフェアウェイにドロップ」という救済です。

 ただし、重ねてですが、「トラ杭」はローカルルールです。スタート前に必ず確認してください。

 ちなみに、大手ゴルフ場グループのアコーディア・ゴルフでは「快適ラウンドシステム」と題し、緑のライン(横縞)が2本引かれた「白杭」=「ワンペナ杭」を、グループ統一のローカルルールで採用しています。この杭を越えて止まったボールは、ワンペナでフェアウェイに戻し、プレーすることを推奨しています(そのままプレーすることも可能)。

「白杭」にも変則的なローカルルールがある

 最後に、「白杭(OB杭)」にも変則的なローカルルールがあることを紹介しましょう。
 
 最近話題になった例としては、2021年のソニーオープンがあります。このトーナメントでは第1ラウンドの直前に、それまでなかった「白杭」が突如現れたのです。

 この年のソニーオープンはコロナ禍により無観客開催となりました。そのため、例年18番ホール(左ドッグレッグのホール)の左サイドに建てられる大きなギャラリースタンドも、このときはありませんでした。

 そこで練習ラウンドでは、多くの選手がティーショットを左隣の1番ホールのフェアウェイにショートカット。そこから、(ギャラリースタンドがなく)クリアに見通せる18番グリーンを狙う攻略ルートを試したのです。

 それを見た大会側が急ぎ採用したのが、18番と1番ホールの間に「白杭」を立て、18番ホールのプレーについてのみ「OB」とするローカルルールでした。

 このように、同じ色の「杭」でも、それが規定するルールはローカルルールによっていろいろあり得る、ということは頭に入れておいたほうが良さそうです。

【写真】出た場所にポイ捨てはダメ! バンカーレーキの置き方3パターン

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レーキはバンカーの外に置くのが最も一般的 写真:AC
バンカーの内側にフチと平行に置くパターン 写真:AC
レーキのヘッドをバンカー内に入れ、柄の部分をフチと垂直に置くパターン 写真:AC
レーキをかける場合は柄をなるべく平行にしてならす 写真:Getty Images
河川敷コースのトラ杭はちょっと曲げると入ってしまうので萎えますね。しかも全然普通に打てる場所だったりもするし… 写真:AC

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