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- 70台どころか80台前半も見たことない! “疑惑のシングルさん”はなぜ生まれるか?
「シングルさん」として仲間うちのゴルフで一目置かれているアノ人。でも、70台どころか80台前半で回っているところも見たことがない。どうしてそんなことが起きるのでしょうか。
ゴルファーの4~5%が「シングル」のはずだけど…
日本では、コースに出る人の4~5%がシングルプレーヤーと言われています。
18ホールのゴルフ場の来場者は、週末やや混んでいるときは200人以上いるそうですから、単純計算では、そのうち10人程度シングルさんがプレーしていることになります。
ちなみに「シングル」は和製英語で、ハンディキャップが1桁、つまり9以下の人を指します。さらにハンデ5以下を「片手シングル」あるいは「5下シングル」、ハンデ0を「スクラッチ」とも表現します。
いっぽう公益社団法人 日本パブリックゴルフ協会のデータでは、70台のスコアで回る人は、コースを回るゴルファー全体の1.9%だそうです。
それを元に考えると、200人以上の来場者に対して、18ホールを70~79のスコアで回る人は約4人いる計算になります。10人以上のシングルさんがプレーをして、70台のスコアで回るのは4人。ということは、シングルさんでも5分の3は80以上を打っているのでしょうか。
これは一体どういうことなのか、日本大学を経てプロ入りするまでの間、トップアマチュアとして活躍した経験のある奥山ゆうしプロに聞いてみました。
「シングルの方が79以上打つのは珍しいことではありません。片手のシングルさんでも打ちますから。たとえば私の場合、アマチュア時代のハンデは+2(ハンデ0のスクラッチプレーヤーよりもさらに2打少ないスコアで回れる実力)で終わりましたが、+2だからといって常に2アンダーで回れるわけではないのです。アンダーパーで回った翌日に83や85を叩いたこともありました」
上級者になればなるほど良いスコアが出る一方、リスクを取ったために叩いてしまうホールもあり、良いときと悪いときの差が大きくなる人もいるでしょう。
「+2だった頃の平均スコアは、75~76だったと記憶しています。ハンディキャップ8とか9の人だったら、平均スコアが85~86くらいになることもあると思います。一口にシングルと言っても、研修生レベルか、ほとんどプロレベルか、くらいの違いがありますね」と、奥山プロは言います。
アベレージゴルファーから見ると、シングルさんは常に70台で回る人のイメージがありますが、実状はシビアなようです。ハンディキャップを持たない多くのゴルファーが誤解していることですが、単純に平均スコアから72を引いたものがその人のハンデになるわけではありません。
俗に言われるのは、4回に1回程度出せる良いスコアから72を引いた数字がその人のハンデということです。いつもそのスコアで回れるわけではなくても、それだけのポテンシャルのあるプレーヤーという理解ができるでしょう。
最近プロ転向した中島啓太のハンデは+4.7
とはいえ、一般ゴルファーからのこんな声も聞こえてきます。
「知り合いのシングルさんとよく回りますが、70台も80台前半も、バーディーを出したのも見たことがないですね。仲間うちでは親しみをこめて『本当にシングルさんですか?』と、いじっています」
そのシングルさんが所属するゴルフ場では、一度取得したハンデが下がることはないそうですから、何年も前に取ったのかもしれません。
ハンディキャップ制度は現在、公式には世界共通で使える「ワールドハンディキャップシステム」が採用されており、国内約2200のゴルフ場のうち、約1600コースで取得が可能です。しかし、実際にはクラブによって査定方法の異なる「クラブハンデ」と呼ばれるものと併用されているケースがほとんどで、クラブ内の競技を公式ハンデの下で行っているゴルフ場は取得可能コースの約4分の1にとどまると言います。
ゴルフ場によって、毎月提出が義務づけられたスコアカードによってハンデの上げ下げをする、規定に沿ってスコアカードを提出しないとハンデが下がってしまう、ハンデを据え置きとするなど、査定に関する決まりはさまざま。
クラブハンデには統一基準がないことから、「本当にシングルさんですか?」という“疑惑”は頻発します。
「アマチュアの試合は、ハンデによって出場資格が分かれている場合があります。ハンデの良い人の試合に出たほうがレベルアップを目指せる、名前とハンデが発表されるときは少ないほうが格好いいといった理由から、良いハンディキャップが欲しくてスコアカードを正直に提出しない人はいるかもしれません。ただ、実際のスコアアップはそう簡単にはいきません」
奥山プロは、少しでもいいハンデを取ろうとする心理を、うまくなりたい気持ち、あるいは見栄からではないかと分析します。
さて、10月7日現在、69万1708人が登録している前述の「ワールドハンディキャップシステム」は、世界共通の計算方法による公式ハンディキャップシステムです。ゴルフ場の会員権がなくてもビギナーでも、誰でも取得することができます。
今年4月から改定されたハンディキャップ取得方法は、大きく分けて下記の3つです。
1)JGAの個人会員になる(プレミアム会員、グリーンクラブ会員)
2)JGA認可組織の会員になる(GDO、楽天GORA)
3)JGA加盟倶楽部の会員になる
1~3の会員になり、コースレーティングが設定されているJGA認定コースでプレーした18ホールのスコアカード3枚分をインターネットを通じて登録。後日、J-sys方式により、コースごとの難易度を勘案して公平に算出されたハンディキャップを取得することができます。
JGAは、世界共通の計算方法によるハンディキャップインデックスを、ゴルファーが誰でも公平に試合を楽しむための、コース難易度に対してどれだけいいプレーができたか自分の実力をはかるバロメーターとしています。
ちなみに昨年、史上5人目のアマチュア優勝を果たし、先月ついにプロ転向宣言をした中島啓太選手は、同システムで+4.7のハンディキャップを取得しました。また、ハンディキャップの上限は男女とも54.0です。
「ありのままのスコアを登録して取得したハンディキャップを縮める」という目標を持ってプレーすることが、本当のシングルへの道と言えそうです。
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