伝統あるコースでは、いまだに「短パン×ハイソックス」が定番?
ゴルフ場にはドレスコードがあり、クラブハウスへの入場は、襟付きシャツにジャケット、チノパンやスラックスに革靴を着用するのが定番です。女性の場合でも、襟付きシャツやジャケットにスカートやパンプスといった服装が望ましいとされています。

また、ラウンドの際にもジャージやスウェットはあまり好ましくなく、ポロシャツにチノパン、ゴルフシューズなど一定のドレスコードが存在しています。
ゴルフ場によっても明文化された決まりや不文律が異なる上、季節によっても服装に変化があるため、これから初めてラウンドに挑戦するというビギナーは、服装選びに頭を悩ませることになるかもしれません。
ただ、最近ではSNSでラウンド時の服装を投稿しているゴルファーも多いことに加え、プレー中の服装については試合中継などでプロの服装を参考にすることもできます。
では、靴下といったあまり目につかない部分もドレスコードを意識する必要はあるのでしょうか。
ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、靴下のドレスコードについて次のように説明します。
「古くから運営されている一部のコースでは、短パンを着用する場合はハイソックスを履くのがベターとしているところもあります。これは、昔のゴルフでニッカポッカが定番スタイルとされていたことから定着したものです」
「ただ、最近では男性がハイソックスを履く文化自体が薄れ、若いゴルファーのなかには『短パン×ハイソックス』のスタイルを『おじさん臭い』と感じる人もいるようです。そうした流れから、ゴルフ業界でもくるぶしが隠れる長さのスニーカーソックスが定番化しており、ハイソックスをドレスコードとするゴルフ場は少なくなっています」
ニッカポッカは、正式名称を「ニッカーボッカーズ」といい、ヒザ下あたりが絞ってある短い丈のパンツスタイルを指しています。
日本では、鳶職人のスタイルとしても広く知られていますが、かつてはヨーロッパを中心に、ニッカポッカの下にハイソックスを着用した服装がゴルフのスタイルとして定番となっていました。
それにならう形で生まれた「短パン×ハイソックス」のスタイルですが、トレンドの変化や涼しさを求めるゴルファーが多いことから廃れ、ドレスコードとしてもハイソックス着用が定められているコースは少数派になっているようです。
では、ソックスの色に気を使う必要が生じる場合はあるのでしょうか?
「稀なケースではありますが、歴史の長いゴルフ場のなかには、ポロシャツに赤を選んではいけないところもあります。そうしたゴルフ場では、同様に靴下も赤を避けることを推奨している場合があります」(飯島氏)
ここまで厳密な規定を設けているゴルフ場は非常に稀ではあるものの、靴下が見える、見えないにかかわらず、色が指定されている場合にはそれにならった靴下を着用する必要があります。