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- 「ホールカップの起源はセントアンドリュースの水道管」は日本だけの俗説!? 英国での定説は?
4.25インチ(約10.8センチ)と決まっているゴルフのホールカップ。セントアンドリュースのトム・モリスが近くで拾った水道管をカップに使用することを思いついたのが始まりだ、というのが日本では定説ですが、これがどうも眉唾もののようなのです。
日本初のゴルフ場、神戸GCの最初のカップは水道管ではなくミルク缶!?

日本でだけ「セントアンドリュース」と「トム・モリス」が盲目的に広まってしまっているのは、なぜなのでしょう。もしかすると、それらが多くの人に興味を抱かせる“バズワード”だからかもしれません。インターネットのない時代には、書物の内容の真偽を確かめるすべも限られており、書き手のサービス精神による脚色が、事実かフィクションかを判別することが難しかったとも考えられます。
ホールカッターが初めて導入されたモントローズの海岸でゴルフが行われるようになってから約340年、ロイヤルマッセルバラがクラブとして設立されてから約130年、それらのずっと後の1901年に、日本にやっと初めて“新しい”ゴルフ場が出来ました。
その神戸ゴルフ倶楽部はアダムソン設計によるコースで、グリーンのカップに使用されたのは、神戸の商社から入手したミルク缶だったと言います。六甲山の山頂まで、重たい陶器の水道管を運び上げるよりも、使い終わったミルクの空き缶を再利用したほうが合理的だったのは容易に想像がつきます。
神戸ゴルフ倶楽部には、設立当時のサンドグリーンが18番ホールの奥に近年再現されました。サンドグリーンとは、グリーン面が芝ではなく砂で固められているものです。歴史好きな当時の支配人が、クラブハウスの脇に埋もれていた石のローラーを見付けたのをきっかけに、何年もかけて歴史を紐解きサンドグリーンの存在を明らかにしたのです。
復元されたサンドグリーンのカップには、水道管でもミルク缶でもなく、植木鉢が使われています。支配人自ら六甲山のコース脇で拾った、のではなくて、ホームセンターで見繕ったものだと伺いました(笑)。そんなウィットにも富んだ神戸GCの企画は、セント・アンドリュースのトム・モリスの水道管の話にも負けていないですね!
以上、ホールカップの歴史の真説、いかがでしたでしょうか。ゴルフの歴史と言われているものの中には、真実よりも本当らしい脚色されたフィクションが多いです。トム・モリスの水道管も、「飛距離自慢の幼稚園…」で始まるスコットランド民謡の“神話”と同じたぐいの話なのかと想像しています。日本で生まれたフィクションが、セントアンドリュースに逆輸出されているのだとしたら、凄いことですね。
(参考)クレイル・ゴルフィング・ソサエティ 「The Hole Story(ホールの歴史)」
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