プレー支出は前年同月比5.0％プラス、用具支出は前2.4％プラス
コロナ禍で3密を避けられるスポーツとしてゴルフがブームとなり、若い世代にも注目されています。若い男女の姿が練習場やゴルフ場に増えたという実感をお持ちのゴルファーは多いでしょう。さまざまな調査を通じて、その肌感が裏付けられてきています。
矢野経済研究所の2022年2月発表「コロナ参入・リタイアゴルファー実態調査2022」によると、新規参入ゴルファー38万人、ゴルフ休眠復活ゴルファーが43万人、合わせて81万人が新たにゴルフを始めている実態が明らかになりました。その中で新規参入ゴルファーの女性比率は40.5％と大きな割合を示しています。年齢構成も20代、30代合わせて58.5％を占め、若い世代が新たに始めています。
そのような状況が他の調査や統計にも出てきています。総務省統計局がまとめた22年11月の「家計調査」によると、ゴルフ関係の支出で、プレー料金は前年同月比5.0％プラスで6カ月連続で増加しています。ゴルフ用具は前年同月比2.4％のプラスで2カ月連続の増加で、ゴルフの好調が続いていることが分かります。
また世代別のプレー料金支出では30代42.9％増、29歳以下は2026.7％の激増となっています。この29歳以下で激増は前年同月のプレー頻度が0で、今年は4回と増えたことによるもので、30代、20代にゴルフが浸透してきたことが分かります。
20代4％、30代2％の女性がここ1～2年で初めてゴルフに触れる
株式会社クロス・マーケティングが22年12月に全国の20～69歳男女2500人を対象にした「スポーツに関する調査（2022）」に面白い結果が出ています。
この調査は、「スポーツ」と聞いて思い浮かぶスポーツ、最近1～2年にやったスポーツなどを調査しています。「スポーツ」と聞いて思い浮かぶスポーツを3つあげてもらうと（純粋想起）1位サッカー（1528）、2位野球(1440)、3位バスケットボール（409）、4位テニス（355）、5位バレーボール(269)、ゴルフは（125）で8位です。9位陸上競技、10位卓球、11位マラソン、12位バドミントンなどよりは上位に来ていました。
ゴルフは幅広い年代で楽しめる、テレビ等の露出が比較的多い、などの理由でベスト10に入っていると思われます。ゴルフが身近なスポーツになってきた表れです。
同調査の最近1～2年にやったスポーツでは、1位がランニング・マラソン（6.1％）でした。ゴルフは（5.1％）で、3位フィットネス・ヨガ、4位ハイキング・登山、5位スポーツジムなどをおさえて2位に入っています。コロナ禍で3密を避けられることが大きな理由であることが推定できます。
その中で、世代別では、20代男性（5.6％）、20代女性（2.8％）と、若い世代でもゴルフがプレーされてきていることが分かります。特に20代男性でゴルフより上位にきているのは、野球、サッカーの2競技だけです。
また、20代女性では、ランニング、スポーツジムなどが上位で、ハイキングやスキーと同じ実施率です。さらに注目すべきは、最近1～2年間に初めてやったスポーツでは、ゴルフが1位(1.3％)となっていることです。同率1位にはフィットネス・ヨガ、3位は野球です。1位になったゴルフで特に注目すべきは20代女性（4.0％）、30代女性（2.0％）で他のスポーツに比べて高い数値となっています。実感として、最近ゴルフ場やゴルフ練習場で女性が増えてきたことと一致するデータです。
コロナ禍でゴルフに注目が集まり、ゴルフを始めた若い世代や女性がゴルフに定着していることを感じます。
