素振り事故の被害者になるとゴルフ場に来たのにプレーできなくなる
2020年の新型コロナウイルス流行以降、ゴルフは密を避けて楽しめるスポーツということで、プレー人口が急拡大しました。
若い世代だけでなく中高年も新たにゴルフを始め、ゴルフ練習場もゴルフ場も多くのゴルファーでにぎわっています。
しかしゴルフ練習場の打席やゴルフ場のティーイングエリアを見ていると、周囲の安全を確認せずに素振りをしたり、素振りをしている人に不用意に近づいたり、少しヒヤッとする場面を見かける機会が増えました。
素振りのクラブが周囲の人に当たってケガをする事故は発生していないのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「素振りのクラブが周囲の人に当たってケガをする事故は発生しています。ウチのゴルフ場では最近もティーイングエリアで1件、練習場で1件の事故がありました」
「まずティーイングエリアの事故ですが、スターティングホールのお客様からマスター室に連絡があり、『まぶたのあたりが出血したので迎えに来てほしい』とのことでした」
「状況としましては、ティーイングエリアで加害者の方が素振りをしているときに、被害者の方が後ろから近寄ってしまったそうです。加害者の方は後ろに人がいることが分からず、クラブヘッドがまぶたに当たりました」
「クラブハウスに戻り、ケガの状態を確認したところ、目の上で出血しており、目の周りが腫れていました。片目が開かない状況でしたから、被害者の方はプレーを断念しました。車の運転も危なくてできませんから、ゴルフ場のスタッフが病院までお送りしました」
この事故の場合、加害者に非はないのかもしれませんが、同伴者がスタートホールでケガをしてしまい、プレーを断念して病院に行った後のラウンドが楽しめたのかというと、複雑な心境だったのではないかと推察します。
また、2人の関係性も心配です。ケガをした人間とケガをさせた人間が、その後もゴルフ仲間であり続けることができるかどうか難しいかもしれません。