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- 兵庫県のゴルフ場で運転していた男性が下敷きに! なぜカート事故はなくならないのか
4月の中旬、兵庫県のゴルフ場でまたもや乗用カートによる事故が発生しました。走行中のゴルフカートが横転し、運転していた自営業の男性が下敷きになり、脚に重傷を負ったそうです。ほかに男女3人が乗車していて、うち女性2人も軽傷を負いました。なぜカート事故はなくならないのでしょうか。そして運転者の過失の場合もゴルファー保険は適用されるのでしょうか。
スピードの出しすぎによるカーブでの事故
4月の中旬、兵庫県のゴルフ場でまたもや乗用カートによる事故が発生しました。全国のゴルフ場で過去に何度も発生し、死者も出ているゴルフカートの事故。そのたびに多くの教訓を学んだはずなのに、なぜ事故は繰り返されるのでしょうか。
今回の事故も、起きてはならないものでした。走行中のゴルフカートが横転し、運転していた自営業の男性が下敷きになり、脚に重傷を負ったそうです。ほかに男女3人が乗車していて、うち女性2人も軽傷を負いました。
「事故原因は、警察の現場検証のもと、カートの運転ミスであり、ゴルフ場側に不備がないと報告を受けております」と、事故が起きたゴルフ場の関係者は語っています。横転という結果については「スピードが出すぎていたことにより、カーブのところで乗り上げてしまい、横転したと聞いています」との答えでした。
こうした場合、気になるのはゴルファー保険が適用されるかどうか。前出の関係者は「それぞれ故意でなければ、といった前提条件がありますが」としたうえで「カート事故については、運転者の運転ミスの場合も補償されます。加入者が運転者だった場合は、ご自身のけがも同乗者のけがも、カートの修理代も補償。加入者が同乗者だった場合は、ご自身のけがに対し補償となります」と説明してくれました。
もし飲酒していてもゴルファー保険は適用される
今や乗用カートのゴルフは当たり前。18ホールのゴルフ場では、50~60台のカートが稼働しているのが一般的です。コース内の要注意箇所では、乗用カートにつけられたGPSナビの画面上で注意喚起を表示しているゴルフ場もあります。
最近までゴルフ場の経営に携わっていた関係者も「乗用カートの事故は、心配の種でした」と語ったうえで、コース側の対応を明かしてくれました。
「事前に運転免許証の保持者が運転すること、飲酒運転をしないことなどを書いた誓約書にサインをしてもらっていましたが、アップダウンの多いコースだったので、ついついスピードを出しすぎてしまう人が多いんです。それでスピードが出すぎないように、カートの最高速度を抑える設定も施していました」
ちなみにお酒好きの方で気になるのは、飲酒運転で今回のような事故を起こしてしまった場合、補償が下りるかどうかでしょう。そこで大手損保の担当者にこの質問をぶつけてみると、こんな答えが返ってきました。
「一般論としてお答えさせていただければ、この場合は道路交通法が適用されないゴルフ場の敷地内での事故です。ゴルファー保険が適用されます」
とはいえ、飲酒の上でのゴルフカートを運転することで、事故のリスクは高まります。ハンドルを握らないほうがいいことは、前出の元ゴルフ場経営者の言を借りるまでもないでしょう。
また、こうしたカートの事故だけでなく、打球事故が起きたり、ティーイングエリアなどで素振りしていたクラブが体に当たってしまったりで、重度の後遺障害が残り、高額の損害賠償責任を問われたケースも過去にありました。ゴルファー保険に入ったうえで、プレーの安全に気を使い、ゴルフカートは慎重に運転することを、肝に銘じておいたほうが良さそうです。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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