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プロにはほぼいない“両手グローブ”の小滝水音が優勝 そもそもゴルフはなぜ片手だけ手袋をするの?
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、国内女子ツアー「大東建託・いい部屋ネットレディス」で優勝した小滝水音(こたき・みお)です。
小滝水音が両手にグローブをする理由
7月20~23日の期間、国内女子ツアー「大東建託・いい部屋ネットレディス」が開催されました。雨により54ホールの短縮競技となったこの大会を制したのは、小滝水音選手です。単独トップでスタートした最終ラウンドは、12番から16番までの5連続バーディーなどで後続を引き離し、7バーディー・1ボギーの66をマーク。通算18アンダーでツアー初勝利を挙げました。
1998年生まれ、25歳の小滝選手は“黄金世代”の1人。同学年優勝者はこれで13人目と、最多記録をさらに更新することになりました。
さて、小滝選手といえば、ショットの際に両手にグローブをするのが特徴的です。今年は、「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」での雨のラウンド時、石川遼選手が両手にグローブを着用していたことが話題になりましたが、日頃からこのスタイルでプレーする選手はほとんどいません。小滝選手は手に汗をかきやすく、素手だと滑ってしまうため、中学時代から両手にグローブをしているそうです。
一般の女性アマ以外では珍しい“両手グローブ”ですが、そもそもなぜ、片手にだけグローブをするのが一般的なのでしょうか。
それは、ゴルフスイングにおける左腕と右腕の役割が異なるからです。右打ちの場合、左腕は「リードアーム」と呼ばれ、スイングをリードする役割があります。左腕でクラブを引っ張って、強くスピーディーに振りたいため、左手にグローブをしてグリップ力を高めるわけです。
一方、ターゲットスポーツであるゴルフは、飛距離だけでなく正確性も求められます。そのため、「トレイルアーム」と呼ばれる右腕は、フィーリングを出しやすいように素手で握るケースが多いのです。
グローブのありなしはシチュエーションによって変えると新たな発見が
左手で強さを出し、右手で感覚を出すというのが基本的な考え方ですが、「感覚を重視したい」という人は、両手を素手で握ると、さらにフィーリングを出しやすくなります。実際、フルショットではグローブを着用するがグリーン周りでは外している、というゴルファーは少なくありません。
また、「右手が器用に動きすぎてミスが出る」という場合は、“両手グローブ”を試してみるのもいいでしょう。右腕のフィーリングをあえて抑えることで、右手が悪さをするのを防ぐことができ、ショットが安定する可能性があります。
ショットでは“両手グローブ派”の小滝選手ですが、グリーン上ではグローブを外して素手で握っているのも印象的です。ショットと同じように左手にグローブを着けたままパッティングする選手も多いですが、小滝選手はフィーリングを重視してストロークしているようです。
フルショット、アプローチ、パッティング。それぞれのシチュエーションで、グローブを着けた方がいいのか、外した方がいいのか。この機会にグローブのアリナシを試してみると、新しい自分のスタイルを発見できるかもしれません。
小滝 水音(こたき・みお)
1998年生まれ、茨城県出身。2017年のプロテストに合格。23年5月に台湾で開催されたステップ・アップ・ツアー「CTBCレディス」でプロ初優勝。7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」でレギュラーツアー初勝利を遂げた。同年3月に優勝した吉本ひかるに続き、黄金世代13人目のツアー優勝者となった。静ヒルズCC所属。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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