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早大初の日本アマ王者・中野麟太朗がローアマ獲得 “コックできない”身体的ハンデを救ったジョン・ラームの存在
フジサンケイクラシックでローアマに輝いた中野麟太朗。早稲田大学スポーツ科学部に籍を置く2年生は、今年の日本アマをプレーオフで制覇。早大初の快挙を成し遂げた。そのメンタルの強さと独特のスイングは身体的ハンデが形作ったものだった。
「ノーコックでも、いいプレーヤーはたくさんいる」

今大会期間中、中野は日本のメディアなどから「和製ジョン・ラーム」などと呼ばれていた。中野のプロフィールの中の「好きな選手」の欄に「ジョン・ラーム」と記されていることや、彼のスイングがラームのそれとやや似ていることなどから、そうした表現が多数登場したのだろう。2人のスイングを比較する画像も、あちらこちらに上がっていた。
確かに、ラームと中野のテークバックには、よく似た点が見て取れる。だが、それは中野がラームに憧れてラームのスイングを真似たり目指したりしたというわけではなく、結果的に「よく似たテークバックになっている」という順番だ。
ただし、中野がラームの名前を出している背景には、こんな理由がある。
中野の左手首は親指側に曲がらず、コックができない。そのことに彼が気づかされたのは17歳のとき。坂詰和久コーチに指摘されて初めて認識し、「ショックでした」。
しかし、「ノーコックでも、いいプレーヤーはたくさんいる」と言われ、「そうか」と思い直すことができたそうだ。
「それに、ジョン・ラームも足が……」
ラームは足首の位置や向きに先天的な異常がある内反尖足ゆえ、足首の可動域が狭く、だからスイングの際の下半身の使い方が独特である。そのことを知った中野は「ラームも足が動かないのに彼なりのスイングで世界一になれたのだから、自分も自分なりのスイングで」と信じられるようになった。
だから中野は「好きな選手はラーム」と答え、我が道を進む大切さと面白さに気付き、そして自分に自信を抱き始めた。彼が強くなったのは、そのときからだった。
今大会での初の予選通過とローアマ獲得は、その延長線上で起こった彼の努力と信念の賜物だった。
「まだまだメンタルの上下動が激しいし、プロの大会に出ると、その動きはより顕著になる。まだ詰めが甘いアマチュアです。でも、プロの大会5試合目にして、ようやく噛み合ってくれた。このフジサンケイ、この難しい富士桜でローアマを取れたことは大きな自信になる。そして、たくさんのギャラリーに自分のプレーを見てもらえたことが一番うれしかった。たくさんの応援が力になりました」
頼もしい言葉を口にした中野麟太朗は、きっと日本の男子ゴルフ界の力になる。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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