「日本で優勝できたことは特別」 コリン・モリカワが逆転V 世界一好きな“日本”で2年ぶりのツアー6勝目 | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

「日本で優勝できたことは特別」 コリン・モリカワが逆転V 世界一好きな“日本”で2年ぶりのツアー6勝目

日本で開催する唯一のPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」最終日、日系米国人を父に持つコリン・モリカワが7バーディー、ノーボギーの63をマーク。通算14アンダーまでスコアを伸ばし、2位に6打差をつけて優勝した。モリカワは2年ぶりのツアー優勝で、通算6勝目となった。

約3時間続けたパッティング練習が実を結ぶ

◆米国男子プロゴルフ〈ZOZOチャンピオンシップ 10月19~22日 アコーディア・ゴルフ 習志野カントリークラブ(千葉県) 7079ヤード・パー70〉

 首位と2打差の単独4位で最終日をスタートしたコリン・モリカワ。前半でスコアを4つ伸ばして試合の主導権を握ると、サンデーバックナインとなる後半でも3打伸ばし、通算14アンダーでホールアウト。

 最終的に2位以下に6打差をつけるぶっちぎりの勝利を手にし、20年の「全米プロゴルフ選手権」、21年の「全英オープン」を制した実力を日本のゴルフファンにしっかりと見せつけた。

妻のキャサリン・チューさんと共に表彰式で笑みを浮かべるコリン・モリカワ(右) 写真:Getty Images
妻のキャサリン・チューさんと共に表彰式で笑みを浮かべるコリン・モリカワ(右) 写真:Getty Images

 PGAツアーがいくらコースセッティングを行っているとはいえ、米国と日本とでは芝質も違えばコースデザインも大きく異なる。そこに違和感を覚える選手は少なくない。

 しかし、今年で日本開催が4回目となるだけに徐々に慣れてきているのも確かだ。モリカワにしても過去4回全て出場しており、今回はグリーンの特徴をいかにつかむかをテーマとした。

 大会前日の午後、プロアマ戦を終えたモリカワは練習グリーンで約3時間にも及ぶパッティング練習を行う。「どのようにグリーンを読んだらいいのか、安定したストロークができるのかを把握することが目的でした。おかげで、決勝ラウンドではいいパッティングができました」。

 予選ラウンドでは、パーオンしたホールでの平均パット数が初日は1.64(16位タイ)、2日目が1.73(19位タイ)だったが、決勝ラウンドに入ると練習の効果が出る。

 3日目は1.54(5位)、最終日が1.53(5位)だった。4日間では1.60(2位)とグリーンの特徴をしっかりつかんでいたのは確かだ。

 実際、最終日のモリカワはバーディーパットだけではなく、3メートルぐらいの微妙なパーパットもしっかりと決めていた。それがショットにもいい影響を与えたのか、パーオン率も83.33%と高い数字を残している。

 もちろん、技術だけで優勝できるほどPGAツアーも甘くはない。試合の状況を考え、スコアを伸ばさなければいけない前半は積極的にピンを狙いにいったが、ある程度のセーフティーリードを得てからは、無理をせず確実にフェアウェイキープ、パーオンを目指していた。

 いくら昨年、今年と優勝から遠ざかっていたとはいえ、メジャー2勝のモリカワに余裕を持たれてしまっては他の選手もたまったものではない。しかし、誰一人としてモリカワの背中に触れることはできなかった。

「日本開催の試合にはぜひ勝ちたかった」

 “モリカワ”というファミリーネームからも想像できるように、日系米国人を父に持つ。そのため、モリカワにとっては日本で優勝することが自身にとって大きな目標の一つでもあった。

「自分が愛し、敬意を持ち、自分のルーツがある日本で優勝できたことは特別です」と試合後、感慨深げに語ったモリカワ。もちろん2年ぶりのツアー優勝を飾ったことはうれしいが、それ以上に日本での優勝には意義があると熱く語る。

「どれだけ自分にとって重要なことかは説明できない。あえていうなら、ツアー初優勝を飾ったときやメジャーで勝利したときと同じぐらいの価値があることです」

 世界アマチュアランキング1位になるなどアマチュア時代から注目され、19年のプロ転向後も6試合目にツアー初優勝を飾るなど、まさに順風満帆のゴルフ人生を歩んでいた。

 さらにメジャー2勝で加速。どこまでその勢いが続くのかと思われただけに、21年の「全英オープン」から今大会までツアー優勝を飾れなかったのは意外だった。ただ、モリカワ自身は特に不安はなかったという。

「また優勝できると信じていましたし、そのためにもう一度基本に戻り、自分には何が必要なのかを見直しました」。その一つが今回も行った長時間のパッティング練習だったともいるが、そんな地道な努力がようやく実を結んだ形となった。

「このような勝利でシーズンを締めくくることができ、来年に向けていい終わり方ができました」と喜びを語ったモリカワ。まだ26歳と若いだけに、来年はさらなる飛躍に期待がかかる。

コリン・モリカワ

1997年2月6日生まれ、アメリカ・カリフォルニア州出身。カリフォルニア大学バークレー校在学時は、世界アマチュアランキング1位に輝く。19年にプロ転向。同年の「バラクーダ選手権」でツアー初優勝。20年8月の「全米プロゴルフ選手権」でメジャー初制覇を成し遂げ、翌年の「全英オープン」も制した。23年の「ZOZOチャンピオンシップ」で2年ぶりの優勝。

【動画】華麗なる圧勝劇…! 2年ぶりVを成し遂げたコリン・モリカワ“勝利の瞬間”を捉えたウイニングパット 実際の映像

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妻のキャサリン・チューさんと共に表彰式で笑みを浮かべるコリン・モリカワ(右) 写真:Getty Images
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