「多少調子が悪くてもリコーを頑張るぞっていう気持ちでやってきた」
◆国内女子プロゴルフ<樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 10月27~10月29日 武蔵丘ゴルフコース (埼玉県) 6650ヤード・パー72>
国内女子ツアー「樋口久子 三菱電機レディス」初日、山内日菜子が6バーディー、1ボギーの67で回り、岩井明愛、仁井優花と並んで5アンダーの首位タイ発進。
最終18番パー5では、ピンまで残り75ヤードを58度のウェッジで1.5メートルに寄せて、バーディーで締めくくった。

「ティーショットが良かった。フェアウェイを外さず100パーセントだったので、それでいいセカンドショットが打てた」と好スコアで回れた要因を挙げた山内。
前半最後の9番では、3打目をバンカーに入れてしまい結果的にボギーを叩いたものの、「ちょっと引きずっていたんですが、お昼休憩でクッキーを食べて忘れた(笑)。うまく切り替えができて後半に臨めた」と後半は4つのバーディーを奪い、さらにスコアを伸ばして初日を終えた。
今年3月の「アクサレディス in 宮崎」で初優勝を手にし一躍注目を集めた山内だが、夏場は予選落ちが続き「疲れは夏がピークでした。記憶がないです」と満身創痍(そうい)の中で戦うツアーの過酷さを、身をもって体感したと明かす。
直近5試合でも4度の予選落ちを味わい、試行錯誤の中で迎えた初日。「(状態が)悪くなると上半身に力が入るクセがある。そうすると腹筋にも力が入らず、脚もうまく使えなくて、動きが悪い訳じゃないのに真っすぐ飛んでくれないことが続いていた。なので、上半身をケアしてもらったりして、(ショット時は)肩の力を抜くよう意識しています」と自分なりの調整法を見つけて、今大会に挑んでいるようだ。
例年であれば、この時期はQTの戦いを意識し始めて試合に臨まなければならなかったものの、今年はその心配もない。「QTを受けなかった年はないので、毎年10月に入ったらQTを意識しだしていたけど、今年はその切羽詰まった感じがない」と精神面でも安心してプレーができていると言う。
「リコーで宮崎に帰れるっていうのもすごく楽しみ。多少調子が悪くてもリコーを頑張るぞっていう気持ちでやってきたので、今年は本当に余裕を持ったメンタルでゴルフができている」
ツアー優勝を手にしたことで、地元・宮崎県で行われる今季最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の出場権を得ている山内。2度目の地元優勝を飾るためにも、今大会で弾みをつけたいところだ。
山内 日菜子(やまうち・ひなこ)
1996年4月22日生まれ、宮崎県出身。2016年のプロテストに合格し、ツアー本格参戦は2019年から。23年シーズンはQTランキング181位と出場が限られる立場ながら、「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」で初優勝を遂げた。ライク所属。