6度目の受験で合格した高木優奈はうれし涙
◆国内女子プロゴルフ<日本女子プロゴルフ協会最終プロテスト 10月31日~11月3日 JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県) 6419ヤード・パー72>
初受験組も、苦節を重ねた面々も、それぞれに喜びを爆発させた。
2023年JLPGA最終プロテストは、11月3日にJFE瀬戸内海GCで最終ラウンドを行い、通算5アンダー19位タイまでの21人が合格。JLPGAメンバーとなることが決定し、来季出場権のかかるQT(クォリファイングトーナメント)出場権を手にした。
トップ合格の清本美波はファイナルから、それ以外の20人は1次からとなるQTはすぐに待ち構えているものの、まずは大きな関門をクリアしたことになる。

22年全米女子アマ優勝の馬場咲希は、最終日を3バーディー、1ボギーの「70」にまとめ通算12アンダーの2位タイで合格。
「よかったです。ちょっとドキドキしてましたけど、楽しかった」と笑顔を見せた。さらに、「私が練習しに来た時には暑さで痛んでいたグリーンを、短い時間で仕上げてくれたゴルフ場のみなさんに感謝します」と、優勝スピーチのような言葉も飛び出した。自分のだけでなく、舞台を整えてもらったことにも気を配った。
馬場の場合、次に待っているのは日本ツアーのQTではなく米ツアーのファイナルにあたるQシリーズだ。日本と日程がかぶるため、米ツアーへの挑戦を選択する予定だという。「今日合格できたからちょっとホッとしていますけど、あと3週間は調整をします。いつもどおりの練習とトレーニング、ルーティンで決めたことを最後までやります」と、静かにいい切る。馬場の挑戦はまだまだ続く。
人一倍、喜びを爆発させたのは、6度目で合格を決めた高木優奈だ。単年登録でのツアー出場経験も豊富だが、プロテストでは苦戦。19年に同じコースで挑んだ時には、24位タイと合格ラインにあと一歩のところから、最終日に「80」の大叩きで不合格という苦い思い出もある。
それだけに、うれし涙をあふれさせ「ホントにきつかったです」と振り返った。首位に2打差3位タイからの最終日だったが、「この位置にいても緊張するんだ、って。足がフワフワした感じ」でスタート。
1番のティーショットを右に曲げた時には、4年前にも同じホールで大きく曲げた悪夢を思い出してしまった。必死にプレーを続けたが、5番、6番で連続ボギー。それでも「とにかくバーディーがくるまでガマンしてガマンして」とくらいついた。
9番で最初のバーディーが来たときには思わずガッツポーズが飛び出した。そこから巻き返して14番、16番、17番のバーディーで通算11アンダー。4位で悲願の合格を果たした。
「この位置にいて落ちたら、一生受からないと思いました。でも去年と比べたらいける気がするって思ってました。テストが楽しみだと感じるところがあった。いやー、でも今日はホントきつかった」
「落ちたらヨーロピアンツアーのQT受けようと思ってエントリーもしてたけど、ホントは行きたくなかった。日本でやりたかったので、今、ホッとしてます。QTがあるから気を引き締めなくちゃいけないんだけど、さすがにちょっとは喜ばせてください」とうれし涙と笑身で顔をくしゃくしゃにした。
この中から何人が、来年のツアーで活躍することになるのか。次は出場順位を争うQTが待っている。