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- なぜエイムポイントは広まったのか? 実際に講習を受けて分かった“ライン読み革命”の正体
近年ツアー会場で見かけることが増えたグリーンリーディング技術「エイムポイント」。実際に講習を受けた筆者が、その仕組みや広まった理由、メリットと課題について考察します。
経験頼みだったライン読みを“見える化”
近年、トーナメントで多くの選手がグリーン上で少し変わった動きをしているのを見たことがある人も多いでしょう。自分のマークとカップを結ぶ直線上で足を広げて足踏みをしたかと思えば、今度はマークの後ろに立って指を立てる――そんな不思議な動きです。しかし、世界のトッププロが行うと不思議と格好良く見えるものです。
実はこれ、「エイムポイント」と呼ばれる科学的なグリーンリーディング技術です。今回は実際に講習を受けた筆者の体験も交えながら、エイムポイントの魅力と課題について考えてみたいと思います。
ただし、エイムポイントに関する情報の一部は法的に保護されています。内容の無断公開や講習内容の漏えいは禁止されており、場合によっては法的措置の対象となる可能性もあります。受講者は決して安くない受講料を支払って学んでおり、その内容が簡単に外部へ流出してしまうのは好ましくありません。
そのため、本稿では具体的な手法ではなく、開発された背景や筆者自身の考えを中心にお伝えします。(文/クラブフィッター・石井建嗣)

そもそもエイムポイントとは、「これまで経験則でしか習得できなかったグリーンのラインを、視覚的かつ客観的に捉えるための方法」です。正式名称は「エイムポイント・エクスプレスリード」といい、米国のマーク・スウィーニー氏が開発しました。
スウィーニー氏は、テレビ画面上でボールの転がりを予測するシステムを提供する企業の創設者でもあり、グリーンの速さや傾斜によってボールがどの程度曲がるのかを示す「エイムチャート」を開発しました。その背景には、「傾斜、グリーンスピード、打ち出しの強さが同じであれば、ボールは規則的に転がる」という考え方があります。
実はエイムポイントの歴史は意外に長く、2011年にステーシー・ルイスがエイムチャートを採用し、世界ランキング1位に上り詰めたことをきっかけに大きな注目を集めました。
しかし、当時のエイムチャートは複雑で、とりわけジュニアゴルファーには難しすぎたといわれています。そこからエイムポイントは改良を重ね、よりシンプルで実践的なものへと進化してきました。その結果、開発から10年以上が経過した現在では、プロ・アマを問わず多くのゴルファーに知られる存在となっています。
指よりも大切な“足裏の感覚”
エイムポイント最大の特徴は、足裏の感覚を頼りにする点です。人はどうしても目から入る情報で傾斜を判断しがちですが、視覚には錯覚が生じることがあります。その誤差を減らすために、足で傾斜を感じ取るのです。
どちらに、そしてどの程度傾いているのかを足裏で判断します。もちろん、その感覚が間違っていればライン読みも間違います。そのため、傾斜を正確に感じ取る感覚を養うこと自体が、エイムポイントを使いこなすための重要なプロセスといえます。
どちらに傾いているのか、そして何%程度の傾斜なのかを判断した後、片目を閉じて指を立て、打ち出し方向を決めます。
エイムポイントといえば、この指を立てる動作に注目が集まりがちですが、実際に重要なのは一つ前のステップです。つまり、足裏で傾斜を感じ取る工程こそが核心部分なのです。
ここからは少し極端な言い方になるかもしれませんが、エイムポイントの表面的なやり方だけを知っても、ほとんど意味がないと感じています。
先ほど述べたように、傾斜の度合いを足裏で正確に把握できなければ意味がありません。また、打ち出し方向を決める際には基準となるタッチ、つまりボールの強さにもルールがあります。その基準から外れた強さで打てば、当然ながら想定通りには曲がりません。
さらに、グリーンスピードやカップまでの距離、ヒジの角度、使用する指など、実際に講習を受けなければ分からない要素も数多くあります。
便利な技術だからこその懸念点
また、エイムポイントは時として物議を醸すこともあります。代表的な例が、昨年2月の米女子ツアー「ホンダLPGAタイランド」で起きた出来事です。
ある韓国人選手が、わずか30センチほどのパットでもエイムポイントを実施しました。本人としては普段通りのルーティンだったのでしょう。しかし、近年はスロープレー問題が大きく取り上げられていることもあり、批判の対象となってしまいました。
私自身はエイムポイントを素晴らしい技術だと感じています。というのも、それまでほとんどパター練習をしなかった私が、講習を受けて以降は1時間続けて練習しても苦にならなくなったからです。
最近では水平器まで購入し、自分の足裏の感覚が正しいのかを確認しながらライン読みを楽しんでいます。
一方で、前述したようにコースでの実践方法を誤れば、間違いなくスロープレーにつながるとも感じています。また、しっかりとエイムポイントのルーティンを行ったにもかかわらず、全く見当違いのパットを打ってしまったら、かなり恥ずかしい思いをするでしょう。
何はともあれ、知った上で使うか使わないかを選ぶのは自由です。しかし、知らなければ議論することすらできません。興味がある方は、一度エイムポイントの講習を受講してみることをおすすめします。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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