“飛びすぎ”を修正したFWがハマった！ 西郷真央が「63」で首位に躍り出る　2打差で鈴木、小祝、三ヶ島が追う

　伊藤園レディス2日目、12月に行われる米女子ツアーの最終予選「Qシリーズ」に向けて、西郷真央が調子を上げてきた。9バーディー、ノーボギーのトーナメントコースレコードタイとなる63をマーク。

「全体的にショットをバーディーチャンスにつけていたことが、スコアにつながってくれた要因だと思います」

　まさにこの日はショットが切れ、グリーンを外したのはわずかに一度。しかも、パット数が27パットだけに、バーディーを量産したのもうなずける。

　今季は出場試合数が少ないこともあり、未勝利の西郷。トップテン入りも6回でメルセデス・ランキング25位と、本来の実力を発揮できずにいた。しかし、西郷の中ではQシリーズに向けて着々と準備が進んでいるようだ。その一つがフェアウェイウッド。米国のゴルフコースはフェアウェイがベント芝のため、ボールが若干沈みやすい。そのため、ボールを拾いやすいフェアウェイウッドを探していたが、ようやく見つけることができたという。

　それがヤマハの「RMX VDフェアウェイウッド」で、3番ウッドを試してみるとボールを拾いやすいとすぐに気がついたが、打球が強く、飛距離が出過ぎてしまうことがネックになっていた。しかし、5番ウッドを試打すると、以前の3番ウッドと飛距離が変わらない。試しに7番ウッドを打つと、5番ウッドの飛距離と大きく変わらなかった。最終的に、どちらのロフトも少し立てたことで、従来の3番ウッド、5番ウッドの代わりになったという。

「私の場合、クラブ全体の統一感を大事に考えていますが、今のセットはすごくハマってくれています」と笑顔を見せる。

　ショットに関しての問題は解決したが、パッティングに関してはまだ課題があった。セットアップがしっくりこなかったというのだ。その原因は自分にあるのか、それとも3週前から使い始めた新パターにあったのか分からなかった。そこで、あえて今週は以前使っていたパターに戻したところ、セットアップがしっくりくることが判明。

　その理由は、パターヘッドに書かれていた白いラインだ。従来のパターには長めのラインが入っていたので、それに対してボールのラインを合わせるなど、方向を合わせやすかったという。ところが新パターには短いラインしか入っていなかったので、それが違和感につながっていた。ちなみに、現在はそのラインを長くしてもらっている最中とのことで、再び新パターを使うことは考えられる。どちらにしても、ショットとパットが噛み合ってきての63だけに、最終日もさらにスコアを伸ばす可能性は十分あるだろう。

　また、ムービングデーのこの日は実力者たちがこぞってスコアを上げてきた。首位と2打差の通算10アンダー、2位タイには鈴木愛と小祝さくらが並んだ。「カゼをひいていたこともあり、何も考えずにやっていく中で、気がついたらバーディーがたくさん取れていた感じです」と鈴木がいえば、小祝は「パットがよかったです」と振り返る。

　一方、前日首位だった三ヶ島かなはスコアを2打しか伸ばせず、通算10アンダーの2位タイに後退。2位スタートの岩井明愛も8位タイに後退した。

2001年生まれ、千葉県出身。ルーキーイヤーの20－21シーズンはパーオン率3位、トータルドライビング1位、ボールストライキング1位などの活躍で、シーズン21回のトップ10入り。未勝利ながら賞金ランキング4位でシーズンを終えた。2022年は開幕戦でのツアー初優勝を含め5勝、メルセデス・ランキング2位という成績を残した。島津製作所所属。