新垣比菜が4回目のホールインワンを最年少達成
黄金世代の新垣比菜がツアー新記録を打ち立てた。新垣は「伊藤園レディス」2日目の12番ホールでホールインワンを決めたのだが、これが自身ツアートーナメントで4回目の快挙。新垣は現在24歳でツアー史上最年少での4回目達成となった。
ホールインワンは出る選手は何回も出るが、出ない選手は実績とは関係なく全く出ないという不思議なものである。

たとえば生涯獲得賞金1位で通算50勝を挙げている不動裕理はアマチュア時代も含めツアーで488試合プレーしているが1回もない。通算17勝で公式競技(メジャー)3冠を達成している肥後かおりは556試合でゼロだ。
そんなレジェンドたちを尻目に新垣は24歳にして4回目のホールインワンを決めた。これまで、最も若くして国内ツアーで4回目のホールインワンを達成した選手は上原彩子で27歳だった。新垣はこの記録を大幅に塗り替えたのである。
新垣のホールインワンを振り返ってみよう。1回目は2019年の「ヨコハマタイヤPRGRレディス」の2日目14番ホール(163ヤード)。9番アイアンで決めた。
2回目は2021年「ニトリレディス」最終日7番ホール(165ヤード)。ここは7番アイアンで沈めている。
3回目は今年5月の「リゾートトラストレディス」2日目15番ホール(155ヤード)。この時も7番アイアンだった。
そして4回目が「伊藤園レディス」2日目12番ホール(166ヤード)。インスタートの3番目のホールで使用クラブは6番アイアンだった。初日は47位タイとやや出遅れていたが、このホールインワンで勢いがついたのか、この日は67で回って21位タイに順位を上げている。新垣には賞金50万円が贈られた。
ちなみに、3回目の最年少記録は22歳260日で新垣と同じ黄金世代の山路晶が保持している。達成したのは2021年「リゾートトラストレディス」2日目。この日は1ラウンドで2回というツアー史上初のミラクルを起こした日だった。
鈴木愛と稲見萌寧も山路と同じ22歳で3回目を決めているが、日数の差で山路が最年少となっている。
畑岡奈紗も米ツアーで既に4回達成している
4回目の最年少記録を大幅に更新した新垣だが、海の向こうに視線を移すとさらにすごい記録がある。畑岡奈紗が米女子ツアーだけで4回のホールインワンを決めており、4回目は2年前の「ウォルマートNWアーカンソー選手権」で、何と22歳だったのだ。この時、畑岡は大会初日と2日目の2日連続でホールインワンという、これまたすごいことをやってのけている。
畑岡も新垣と同じ黄金世代。何やらここまで山路を含め黄金世代の名前ばかり出てきているではないか。

それもそのはず、黄金世代はホールインワンが非常に多いのである。国内ツアーにおける黄金世代のホールインワンは計20回。これは歴代最多タイの6回を記録している有村智恵らの1987年度生まれの21回に次ぐ学年別2位の数である(対象は日本選手のみ)。約10年もキャリアが違う学年と互角の数なのだからすごい。
これに米女子ツアーの5回(畑岡4回、渋野日向子1回)を加えれば25回になり、米女子ツアーではゼロの1987年度生まれを凌駕する。
ホールインワンというものは冒頭でも述べたように実績に比例するものではない。ピンに寄せるのは技術だろうが、入る入らないはもはや運の世界ではないだろうか。黄金世代のホールインワンの多さは「持っているから」としか説明しようがない。
最年少記録をつくった新垣だが今シーズンの成績のほうはメルセデス・ランキング70位と苦戦しており、シード復帰は厳しい状況である。アマチュア時代はトップ10が5回と層の分厚い黄金世代の中でも屈指の好成績を残し、プロとしての黄金世代優勝一番乗りも果たしている新垣。この快挙をきっかけに復調への階段を上って行ってほしいものだ。