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“22歳のママさんプロ”神谷和奏が好発進デビュー プロテスト同様に愛娘を連れて粘り強いゴルフ
富士フイルム・スタジオアリス女子オープン初日、昨年のプロテスト合格時すでに長女を持つママだったことから注目を集めた神谷和奏(かみや・わかな)がプロデビューを果たし、1アンダー19位タイと好スタートを切った。
「ダンナも緊張すると言っていて、2人でフワフワしていました」
神谷和奏がデビュー戦で1アンダー19位タイと好スタートを切った。
昨年のプロテスト合格時すでに長女を持つママだったことから注目を集めた22歳は、富士フイルム・スタジオアリス女子オープン初日、2ホール目の11番でいきなりダブルボギーを叩きながら、粘り強く3つのバーディーでカムバックした。
ママになってからプロとなった先輩には山岡明美(ツアー4勝 2015年没)がいるが、1988年のツアー制施行後の“ママでのプロ入り”は神谷が初。デビュー戦でバッグを担ぐのは、ティーチングプロの夫、幸宏さんだ。
「緊張しました。ダンナも他の選手のキャディーをするより緊張すると言っていて、2人でフワフワしていました」
ダブルボギーはそんな状況でのことだった。右のフェアウェイからの第2打を左バンカーへ。「思ったより硬くて“ホームラン”しちゃって」と、奥のラフからの4打目も寄らず、4メートルを2パット。いきなりダブルボギーと、ツアーの洗礼を受けた。
しかし、ここからズルズルいくことはなかった。「やっちゃったな、とは思ったんですけど、ルーキーだし、デビューだし、打ってもしかたない。自分を許してあげよう、と思いながら落ち着くようにしました」と、ここからはパーを重ねていった。
「やっと地に足をつけてプレーできるようになったのは16番くらい。2人で落ち着く場所というか感覚を見つけられたのがよかった」と、周囲が見えるようになった。
最初のバーディーは1番だ。3メートルのスライスラインを沈めると、2番でも4メートルの連続バーディー。4番では9番アイアンで1メートルから3つ目のバーディーを奪って、1アンダー19位タイまで順位を上げた。
2歳半の長女・咲凛(えみり)ちゃんを帯同しているが、プレー中は祖母とともに過ごしている。この日は寒さと雨というあいにくのコンディションだったが、神谷はホールアウト後、ファンへのサインを済ますとギャラリープラザに向かった。目的は“ロケハン”だ。
主催者のスタジオアリスは、子供向け記念撮影が“売り”とあって、子供が喜ぶイベントが用意されている。ディズニーキャラクターと記念撮影できるフォトスタジオや、チビッ子パター大会などの様子をうかがって、咲凛ちゃんが楽しめるかどうかチェックしようというのだ。
プロテストにも家族で挑んだ神谷は、ゴルフと子育てのワークライフバランスをうまくとることを心がけている。デビュー戦も、ホールアウトすればすぐに娘のことを考えるあたりにいいバランスが見える。
2日目以降も、自分のペースで予選通過、そして上位を狙う。それを支えるのは家族の力に他ならない。
神谷 和奏(かみや・わかな)
2001年10月1日生まれ、千葉県出身。3歳からゴルフを始める。アマチュア時代の主な戦績は全国高等学校ゴルフ選手権5位タイ、日本女子アマチュアゴルフ選手権21位タイなど。21年に長女を出産。23年、最終プロテスト5度目の挑戦にして合格し、晴れてJLPGAのツアープロに。ソニーネットワークコミュニケーションズコネクト所属。
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