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- 「プロは稼いでなんぼです」 今季未勝利の青木瀬令奈が目標を“上方”修正した理由とは?
国内女子ツアー第20戦「大東建託・いい部屋ネットレディス」初日。今季未勝利の青木瀬令奈が6バーディー1ボギーの「67」をマーク、7位タイと好発進した。
「湿気がある暑さは好きなんです」(青木)
◆国内女子プロゴルフ
大東建託・いい部屋ネットレディス 7月18~21日 ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡県) 6505ヤード・パー72
気温32.8度、湿度65%、晴れ時々曇り。蒸し暑い正午から10分後に、大東建託いい部屋ネット初日のプレーをスタートした青木瀬令奈は、疲れた顔も見せずに6バーディー、1ボギーの5アンダー7位タイでプレーを終えた。
時には日本一の気温を記録することもある群馬県前橋市で生まれ育ち、現在の自宅もそこにある。「湿気がある暑さは好きなんです。私普段あまり汗をかかないタイプなので、逆に汗をかいて気持ちいいくらい」と笑う。

ツアー通算5勝。昨年は「Tポイント×ENEOS」、「大王製紙エリエールレディス」と2勝を挙げているが、今季は未勝利。19試合中、予選落ちは3回しかなく、メルセデスランキング12位と安定しているものの、トップ5は1試合しかなく、優勝争いに食い込めずにいる。
その裏には、うれしい悲鳴も隠されているという。ドライバーの飛距離が「キャリーで205ヤードから213ヤードに伸びた。アイアンも全部飛距離が伸びている」のだ。そのため、これまでとは違うコースマネジメントを余儀なくされているのだという。
例えば「もう何年もU6はキャリーで153ヤード。それが157ヤードになった」というズレが、時に戸惑いと迷いを呼んでいる。
飛距離が伸びたのは、2年前から毎週するようになったトレーニング効果。下半身と上半身をバランスよく鍛えることで、しっかりクラブを振り切れるようになり、ヘッドスピードも上がった。
31歳になり、現在の日本ツアーで活躍する中ではベテランの域に入ってきたが、本人はまった気にしていない。「年齢はただの数字」と言い切るのも、年々、退化どころか進化する自分を感じ取れているからだ。「藤田さいきさんとか、上田桃子さんとか、頑張っている先輩たちがいますから」と笑う。
ツアーが休みだった先週、30歳以上の選手たちがダブルスで激突するLADY GO CUPに出場。藤田と組んで優勝し、互いのプレーに大きな刺激を受けた。
今年、最初の目標だった「10年連続シード」は、すでに確実となっており、目標をもう1段高く掲げた。「去年の自分を超えて、年間3勝して1億円プレーヤーになること」だ。
ツアーの女王を決めるランキングが、賞金からメルセデスポイントに変わって3年目。だが「プロスポーツ選手は稼いでなんぼです」と、青木にはこだわりがある。通算5勝の現在の姿からは考えられないが、プロになったばかりで稼げなかった頃、苦労した経験も持っている。その気持ちが粘り強さにもつながっている。
飛距離が伸びたことでクラブ選択がこれまでと変わりタテの距離が合わなくなっていたが、徐々にパワーアップした自分にアジャストしつつある今、感じるのは伸びしろしかない。シーズンも半ばを過ぎた今、青木の快進撃が始まろうとしている。
青木 瀬令奈(あおき・せれな)
1993年2月8日生まれ、群馬県出身。2021年の「宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」で4年ぶりとなるツアー2勝目を挙げ、全英女子オープンに初出場。また、2022年に発足した「JLPGAブライトナー」と銘打った新制度で、大里桃子、勝みなみ、申ジエ、原英莉花、吉田優利とともに初代「ブライトナー」に就任。ツアー通算5勝。リシャール・ミル所属。
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