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「プレーオフのシステムは馬鹿げている」と不満のシェフラーが年間王者に PGAツアーは変更を検討せざるを得なくなった?
プレーオフ最終戦「ツアー選手権」が終了し、注目された年間王者の称号と2500万ドル(約36億円)の行方は世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーに決まった。しかし、めでたくハッピーエンドとなったとはいえ、シェフラー自身はプレーオフのシステムに不満を持っているようだ。
プレーオフの新システムに議論百出
シェフラーが「プレーオフのシステムは馬鹿げている」と声を上げて以来、「それならば、こうしたらいいのでは?」という提案は、すでに方々から多数上がっている。

たとえば、「ツアー選手権の4日間72ホール終了後、上位の4~10名だけのマッチプレーを追加する」「プレーオフ3試合の全ストローク数の合計で年間王者を競う」といったユニークなアイディアが提案されている傍らで、「昔のシステムに戻す」という少々投げやりな提案もある。
そんな中、米スポーツ・イラストレイテッドの熟練記者、ボブ・ハリッグ氏の提案が、なかなか興味深い。
ハリッグ氏は、極端にツアー選手権に偏っている「一極集中のマネー」を、少しばかりならして、他のボーナスや他の大会の賞金に回して分散させることで、シェフラーが指摘する「ツアー選手権における大どんでん返しの不公平」を解消できると説いている。
たとえば、ツアー選手権で用意されるボーナス総額100ミリオン(1億ドル)の一部を、レギュラーシーズン終了時に支給されるコムキャスト・ビジネス・トップ10のボーナスに回し、レギュラーシーズンにおける奮闘と功績に対して、現行システムより多く報いるべきだとしている。
さらに、プレーオフ第1戦、フェデックス・セントジュード選手権の賞金総額を現行の2000万ドルから2500万ドルへ、第2戦のBMW選手権の賞金総額を現行の2000万ドルから3000万ドルへアップさせる。
そして、最終戦のツアー選手権のボーナス総額は、現行の1億ドルから5000万ドルへと半減させ、優勝者(年間王者)のボーナスも現行の2500万ドルから900万ドルへと大幅ダウンさせ、逆に30位でも100万ドルがもらえるよう、傾斜配分の度合いを緩めることで、大逆転の度合いや可能性も縮小されると、ハリッグ氏は唱えている。
このシステムなら、シェフラーのようなトップ中のトッププレーヤーが抱くアンフェア感は解消されそうである。しかし、マキロイが言う大逆転の可能性やドキドキ感は今より大幅にダウンするわけで、PGAツアーは当分、悩み続けることになりそうである。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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