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- 「球が曲がる時は…」 6勝目&初メジャー制覇へ! “強すぎる竹田麗央”がティーショットで一番気をつけていることとは?
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回は「ゴルフ5レディス」で今季5勝目を挙げた竹田麗央(たけだ・りお)です。
主要スタッツでことごとく10位以内と“穴がない”竹田麗央
今年の「ゴルフ5レディス」は降雨の影響で36ホールに競技短縮となりました。そんな中、大会を制したのは第1ラウンドで4アンダーの「68」、第2ラウンドで6アンダーの「66」をマークした通算10アンダーの竹田麗央選手でした。
竹田選手はこれで今シーズン5勝目。今大会終了時点でメルセデス・ランキング、平均ストローク、年間トップ10回数、パーオン率、平均バーディー数、パーブレーク率などでトップに立っています。群雄割拠の国内女子ツアーですが、ここへきて竹田選手が頭一つ抜け出た感がある――。特に最終日のプレーはそう思わせるような内容でした。
この大会で印象に残っているのは、首位に並んで迎えた最終ホールのバーディーパットです。セカンドショットをピン奥1.5メートルにつけましたが、ほぼ直角に曲がるような強烈なフックライン。竹田選手は最終組の3組前でプレーしていましたが、このデリケートなラインをジャストタッチでカップに流し込みました。結果的にこれがウイニングパットになったわけです。
竹田選手といえば、ドライバーの飛距離が最大の武器というイメージを持っている人は多いと思います。実際、ドライビングディスタンスは4位(261.97ヤード)につけている飛ばし屋ですが、前述のようにパーオン率は1位だし、平均パット数(パーオンホール)も4位(1.7439)。リカバリー率も69.0566で9位と、本当に穴がないプレーヤーといえます。
メンタルが常に安定しているのも彼女の強さの秘訣といえるでしょう。バーディーを奪ってもボギーを打っても、心に波風が立たずに穏やかにプレーしている印象があります。そんな竹田選手はどんな精神状態で最後のバーディーパットを打ったのでしょうか。本人に直接聞いてみると、「結構切れるラインでそんなに読み切れてなかったので、がっつかずに打とうと思っていました」とのことでした。ここまでに4勝を挙げている余裕があるのかもしれませんが、クラッチパットを打つ前の心境としてはかなり穏やかですよね。
竹田選手は現在開催中の「ソニー 日本女子プロ選手権」でも2日目を終えて首位に立ち、今季6勝目と初の公式戦制覇に向かってばく進中です。
さて、竹田選手本人にもう一つ聞いてみたのはドライバーショットについて。特に大事な場面でティーショットを打つ時にどんな点に気を付けているのでしょうか。
インパクト後に状態が起きていくイメージ
彼女の答えは、「球が曲がる時は上体が起き上がるのが早い時が多いんです。ですから、インパクト後に上体が起きていくイメージをいつもより強く持っています」とのことでした。確かに、竹田選手は肩をタテに回し、インパクトの後に体と頭が起き上がるスイングをしています。竹田選手ほどのプレーヤーでも、「前傾姿勢が崩れないように」と意識をしているんですね。
彼女のこのイメージは一般ゴルファーの皆さんの参考にもなります。ダウンスイング以降で体が起き上がってしまう人は、「インパクト後に上体が起きていく」という意識を持ってみてください。ショットの精度がアップするはずです。
竹田 麗央(たけだ・りお)
2003年生まれ、熊本県出身。母は女子プロの平瀬哲子、おばは1993年、94年に賞金女王を獲得した平瀬真由美。21年の日本女子オープンでローアマを獲得し、その年のプロテストに合格。23年はドライビングディスタンス2位(258.91ヤード)の飛距離を武器にメルセデス・ランキング22位。24年は「KKT杯バンテリンレディス」で初勝利を挙げると、翌週の「フジサンケイレディス」でも勝利。その後も勝利を重ねてシーズン5勝をマーク。ヤマエグループHD所属。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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