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安田祐香は初日“24パット”で初V! なぜ“素振りだけ”クロスハンドで握るのか? 転がりのいいパッティングの秘訣
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回は国内女子ツアー「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で優勝した安田祐香(やすだ・ゆうか)です。
今シーズン初優勝者は安田祐香を含めて7人に
国内女子ツアー「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」が宮城県の利府ゴルフ倶楽部で開催されました。今大会は悪天候によって27ホールに競技短縮となり、セカンドカットを実施。最終日は30位タイまでの37人が9ホールをプレーする戦いになりました。
優勝したのは第1ラウンドでボギーフリーの7バーディー、「65」と会心のプレーを見せた安田祐香選手です。最終ラウンドの9ホールではスコアを2つ伸ばして9アンダーとし、逃げ切りでツアー初勝利を挙げました。
安田選手といえば、古江彩佳選手や西村優菜選手、吉田優利選手と同じプラチナ世代の一人。アマチュア時代は「日本女子アマ」「アジアパシフィック女子アマ」などで優勝し、鳴り物入りでプロの道に進みました。しかし、ケガの影響もあってか勝利を挙げられないシーズンが続きました。
そんななかでも2020-21シーズンにメルセデス・ランキング67位、22年に同53位、23年に同32位と着実にステップアップ。今シーズンは、「アース・モンダミンカップ」2位、「資生堂レディス」4位タイ、「ゴルフ5レディス」3位タイなどで上位フィニッシュし、今大会でついに悲願の初勝利を遂げました。優勝インタビューでは大粒の涙を流していたのが印象的でした。
今大会の優勝で安田選手はメルセデス・ポイントを200ポイント加算。前週の17位から2ランクアップして15位に浮上。今シーズンの国内女子ツアー初優勝者はこれで7人になりました。臼井麗香選手、阿部未悠選手、竹田麗央選手、天本ハルカ選手、当時アマチュアだった韓国のイ・ヒョソン選手、桑木志帆選手、そして安田選手です。
パターの時にクロスハンドから順手に持ち替える
さて、安田選手のプレーを見ていて印象的だったのがパッティングのグリップです。素振りの段階ではクロスハンドでイメージを出していますが、アドレスのタイミングで順手に持ち替えてストロークを始めます。クロスハンドのメリットは、アドレスやストローク中に左肩が上がらなくなること。左手が右手の下にくるため、肩を平行に保ちやすくなるのです。
フェースの下目でボールをヒットしてスムーズに転がせないという人は、左肩が浮いてキツいアッパー軌道でインパクトしている可能性があります。クロスハンドにすることでその悩みは解消されるかもしれません。
クロスハンドで打てるのであればそのまま打っても問題ありません。しかし、「どうしても違和感があって振りづらい」という人は安田選手のように直前に順手に戻す方法でも効果があります。ぜひトライしてみてください。
安田 祐香(やすだ・ゆうか)
2000年生まれ、兵庫県出身。16歳で「日本女子アマ」(2017年)を制覇し、19年は「オーガスタナショナル女子アマ」で3位に。同年は「アジアパシフィック女子アマ」で優勝し、海外メジャー「エビアン選手権」に出場。ベストアマを獲得した。また、「AIG全英女子オープン」でも予選通過を果たしている。プロ入り後はなかなか結果を出せずにいたが、5年目の24年「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で初勝利を挙げた。古江彩佳や西村優菜、吉田優利と同じプラチナ世代の一人。NEC所属。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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