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- 「近すぎてビックリしました」 難攻不落の名物ホール・16番パー3を攻略した幡地隆寛が大会レコードで2勝目を飾る
国内男子ツアー第18戦「バンテリン東海クラシック」は、幡地隆寛(はたじ・たかひろ)が大会新記録となる通算17アンダーで優勝、今季ツアー2勝目を飾った。1打差の通算16アンダー、単独2位には金谷拓実が入った。今年の日本アマ優勝者である16歳の松山茉生は、通算10アンダーの17位タイでフィニッシュした。
間違っていなかったアイアン重視のゴルフ
◆国内男子プロゴルフ
バンテリン東海クラシック 9月26~29日 三好カントリー倶楽部 西コース (愛知県) 7300ヤード・パー71
国内ツアー屈指の飛ばし屋である幡地隆寛だが、昨年のオフからアイアンショットの精度を上げることに取り組んできた。きっかけはダンロップフェニックスでブルックス・ケプカと同組でラウンドしたことだ。
「ドライバーの飛距離が出るだけでなく、それ以外の技術もすごいなと感じました」
それまでの幡地はドライバーショットの曲がりを抑えることに必死だったが、そんなことよりもアイアンショットの精度を上げることを優先するべきだと考えた。
結果、今年の3月にニュージーランドオープンを制し、国内ツアーでも関西オープンで初優勝を飾った。どちらも飛距離の出るドライバーショットを生かした精度の高いアイアンショットが光っていた。今大会でもアイアンショットの精度が勝敗を決めた。
名物ホールの16番パー3がその舞台だ。左サイドがガケ下になっており、そこへボールを落とすとリカバリーが難しくなる。このホールで大叩きをして涙をのんだ選手は数知れない。
最終日、その難ホールのピン位置は左サイドからわずか4ヤード地点に立っていた。ピンをデッドに狙ったショットが少しでも左に曲げれば、ガケ下へ一直線だ。
この時点で幡地は通算16アンダーで首位タイにいたが、安全策よりも果敢にピンを狙うことを選択。ピンまでは184ヤードあり、7番アイアンを手にした。
「めちゃめちゃ緊張しましたが、ピンに寄せる自信もありました」
フェードヒッターだけに、グリーンをキャッチしさえすれば、ボールが左に転がり落ちることはない。左からの風に乗せれば、左サイドの危険ゾーンは消せると考えた。もちろん、ボールを正確に狙った方向へ打ち出せる技術があればこその発想だった。
狙いどおりに打ち出されたボールはなんとピン左約10センチに止まる。あわやホールインワンというスーパーショットだった。
「会心の1打でしたが、逆に近すぎてビックリしました」。結局、このホールで奪ったバーディーが効いて、2位以下を1打差で振り切る通算17アンダー、今季ツアー2勝目を飾った。
ZOZO選手権でPGAツアーの雰囲気に触れたい
優勝賞金2200万円を加算し、今季の獲得賞金額を5253万7907円とした幡地。賞金ランキングも8位にまで上げてきた。
「今年の目標は昨年の獲得賞金額(4171万9720円)を超えることでしたが、それを達成できたので、次の目標として日本オープン制覇を目指します」
昨年の同大会では3位タイに終わっているだけに、リベンジの意味を込めて優勝を狙いに行く。さらにその先には幡地が出場することを望んで止まないZOZO選手権が待っている。開催前週までの賞金ランキングが8位以内なら出場権を与えられるが、現在8位の幡地には十分チャンスがある。
「いずれはPGAツアーに参戦したいだけに、今回ZOZO選手権に出場することで、少しでもPGAツアーの雰囲気に触れることができればうれしいです」
夢はますます広がるばかりだが、まだ31歳。幡地のゴルフ人生はこれからが本番だ。
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