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6位タイでPGAツアー次戦の出場権を獲得した杉浦悠太 日本ツアーと日程がかぶるが「行きたい気持ちはすごくあります」
「ZOZOチャンピオンシップ」最終日、6アンダーの猛チャージを見せた杉浦悠太が日本人最高位の6位タイでフィニッシュした。
「自分が手に入れた権利だから出たい」(杉浦)
◆米国男子プロゴルフ
ZOZOチャンピオンシップ 10月24~27日 アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉県) 7079ヤード・パー70
杉浦悠太が、最終日のベストスコアタイとなる6アンダーの猛チャージ。6位タイで次戦の米ツアー出場権を手に入れた。
日本開催のPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」最終日、7アンダー16位タイからスタートした杉浦はショット、パットともに冴えわたるプレーを見せた。5番パー3で1.8メートルにつけバーディーを取ったのを皮切りに、6番パー5でも2オンからバーディー。8番は4.5メートル、9番も1メートルに寄せ次々にスコアを伸ばす。
バックナインに入ってからは、やや勢いが衰えたものの、14番パー5では6.5メートル、17番パー4は8メートルとバーディーを重ねた。さらにバーディーを狙いに行った18番ではティーショットが左の林へ。この時点で気持ちをバーディー狙いからパーセーブに切り替える。
「18番(のフェアウェイ)に出せたけど、200ヤード以上残るので。(隣の)9番なら165ヤードぐらいなので」と、隣の9番ホール方向へ第2打を打つ。ちょうど、10番からスタートした松山英樹の組が来るタイミングだったため「ギャラリー(の数が)すごいなと思って、一瞬、僕もロープの中でギャラリーになってました」と笑わせる。
ここからきっちりパーセーブして6アンダーの「64」。通算13アンダー6位タイとして、17人の日本勢最上位という結果を出した。
「日本オープンぐらいからショットはずっとよかったんです。今日はパットが入りました」と白い歯をのぞかせる。
昨年、アマチュアで出場した下部のABEMAツアー「ダンロップフェニックスチャレンジ」に優勝して出場権をつかんだ「ダンロップフェニックス」で優勝。直後にプロ転向を宣言した杉浦。ルーキーイヤーの今年は「日本プロゴルフ選手権」で優勝。ものすごい勢いでステップを上がって来た。
しかし、優勝した「日本プロ」最終日の朝に痛みが襲った右ヒジの故障にその後は苦しめられる。翌週の「セガサミーカップ」をスタート直前に欠場、「横浜ミナトChampionship」には出場したが、8月末のKBCオーガスタを棄権した。以降、4試合休んで治療に専念した。
「(検査で)撮れるものは全部撮ったんですけど(疲労の)積み重ねみたいで。(痛い時でも)箸はさすがに持てましたけど、曲げ伸ばしが痛かった。調子もよかったので、辛い時でした」という思いを経験した。
ヒジに負担のかからないスイングを目指し、身体の可動域を上げる対策で復帰を画策。9月末に、地元愛知県が舞台の「バンテリン東海クラシック」で復帰している。
復帰初戦から、ショットは上向きで、日本オープンは予選落ちしたが、決してショットが悪いわけではなかった。今大会でもそれを維持し、パットが入った最終日のビッグスコアにつなげた。
トップ10入りするとPGAツアーの次戦「ワールドワイド・テクノロジー選手権」(11月7~10日、メキシコ)に出場できることは知っていた。「行きたい気持ちはすごくあります」と目を輝かせるが、一方で今年の目標に掲げた日本ツアー賞金王への気持ちも強い。
現在、日本ツアーの賞金ランキングは6位で、残りは4試合。1位の平田憲聖とは4000万円以上の差だ。メキシコ行きを決断すれば、日程がかぶる三井住友VISA太平洋マスターズには出られない。翌週は連覇がかかるダンロップフェニックス。
「トップ10なら次に出られるのは知ってました。自分が手に入れた権利だから出たい。でも考えます」。現在、うれしい迷いの真っただ中にいる。
いずれにしても、PGAツアーのフィールドの中で上位に入れたことは「すごい自信になります」と大きな収穫を得た杉浦。「ステップアップしてきたのはいいけど、もう少し頑張らないと」という貪欲さでさらなる飛躍が期待される。
杉浦悠太(すぎうら・ゆうた)
2001年9月12日生まれ、愛知県出身。福井工大付属福井高校時代に「日本ジュニア」を制覇。2019年にはJGAナショナルチーム入りし、中島啓太からキャプテンを継承。日本大学4年時の2023年は国内男子下部ツアー「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジinふくしま」でアマチュア優勝。その優勝で手に入れたチャンスを生かしレギュラーツアー「ダンロップフェニックス」で史上7人目のアマチュア優勝を果たす。24年「日本プロゴルフ選手権」でプロ初優勝。
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