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- 「志保ちゃん、おかえり!」大山志保は2年4カ月ぶり復帰戦で再三の涙「幸せな気分でした」
2年4カ月ぶりのツアー復帰を、温かい拍手で迎えられた大山志保(おおやま・しほ)は、スタートホールでいきなり感極まった。6オーバーでプレーを終えた後も、何度もうれし涙にくれた。
大山は復帰戦を「78」でプレーし6オーバー93位タイで終えた
◆国内女子プロゴルフ 第35戦
伊藤園レディス 11月8~10日 グレートアイランド倶楽部(千葉県) 6769ヤード・パー72
2年4カ月ぶりのツアー復帰を、温かい拍手で迎えられた大山志保は、スタートホールでいきなり感極まった。6オーバーでプレーを終えた後も、何度もうれし涙にくれた。
母指球から始まり、体のあちこちに広がった痛みが治らず、2022年6月の「アースモンダミンカップ」の2日目を最後にツアーから離れていた。
スタートホールに向かうと「志保ちゃん、おかえり!」の声が飛び交い、ギャラリーから拍手が沸き起こった。それを聞いた瞬間、あふれる涙が止まらない。「めっちゃうれしかった」とプレー後もそう話しているうちに、また涙があふれる。それほど、この日を待ち焦がれていた。
「ティーイングエリアに上がるのを目標にしていたので、迎えられてうれしかった。ほんと、幸せな気分でした。ゴルフの調子はひどかったけど…」。それほど、苦しい日々を乗り越えた。
母指球の痛みで公傷制度を使って休養していたが、足と手、全身に広がったという痛みは、今も大山を苛んでいる。それでも「痛みは変わらないですけど、言い訳にしたくない。言い訳するならやめてしまえ、と思っているので」と、抱えながらプレーした。
2006年の賞金女王で、米ツアーに挑んだ経験もあるが、同時に何度も戦線離脱を余儀なくされてきた。ヒジ、鎖骨、首…。ツアーに戻るのが危ぶまれる状況もあったが「まだやめられない」と、その都度、必死に乗り越えてきた。
今回の闘病はさらに苦しいものだった。ひどい時には「朝起きてハイハイしてお手洗いや洗面台に行った」ほどの痛み。眠れない夜もあり、なかなか原因もわからないまま、いたずらに時が過ぎた。ようやく、原因と思われるものがわかって、治療を始めたのが今年の1月。だが、副作用も強いため、9月からは薬も飲まず、痛みと付き合うことを選択している。
かつて、ヒジの故障を振り返り「痛みに強いみたいで、ホントにひどくなるまでガマンしちゃったんです」と口にしていた大山が、眠れなかったほどの痛みとは、いかばかりか。壮絶な日々だったことは想像にかたくない。
それでも、ツアーに戻って来た。ツアーを離れていた時間の長さは、スコア提出所で戸惑うシーンが示していた。「自分は(相手の)マーカーなのに、プレーヤーの方にまちがってサインしちゃったりして」と苦笑する。同伴競技者の鈴木愛に指摘され、書き直している姿は、2年以上、試合を離れていたことの表れに他ならない。
この日は、1バーディー5ボギー、1ダブルボギーの「78」でプレー。6オーバーは95人中、下から2番目の93位タイだった。
「1週間くらい前に夢を見たんです。ハーフ『42』を打った夢。これじゃ『80』超えちゃうじゃん、と思って」という話も、それだけゴルフがしたかったということだ。「気持ちしかないです。気持ちで、今できるベストを尽くす感じです。戻ってこられただけで100点だけど、私は欲深い性格なので、まだゴルフが全然というところが悔しい。伸びしろしかないです」と表情は明るい。
「(復帰のために)チャレンジしたな、というそこだけは(自分を)褒めてあげたいなと思います。私、何か目標を持っていないと抜け殻みたいになってしまうので」と、47歳になった今も大山はしっかりと前だけを見つめている。
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