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- 石川遼の「同一大会4勝」はツアー史上19人目! さらにスゴイ「同一大会9勝」という大記録を持つ2人は誰と誰?
石川遼が「三井住友VISA太平洋マスターズ」で逆転勝ちを収め同一大会4勝目という偉業を達成した。そこで、同一大会における同一選手の勝利数について調べてみた。
杉原輝雄と尾崎将司が同一大会9勝という偉業を達成
石川遼が「三井住友VISA太平洋マスターズ」で逆転勝ちを収めた。石川は大会4勝目。同大会の単独最多勝を記録した。では、同一大会で最も多くの勝ち星を挙げているのは誰で、何勝か。時代をさかのぼれば、すごい記録が残っていた。
首位タイで迎えた最終18番で見事にバーディーを奪って千両役者ぶりを見せつけた石川。半世紀を超える歴史がある「三井住友VISA太平洋マスターズ」を2年ぶりに制し、大会通算4勝目をマークして、3勝で並んでいた尾崎将司、中嶋常幸、リー・ウエストウッド(英国)を抑えて単独最多勝に躍り出た。
同一大会で4勝もするのは至難の業だ。まだ大正時代だった1926年に初めてのプロのトーナメント(日本プロと関西オープンの2試合)が行われてから100年近い歳月が流れたが、石川で19人目にすぎない。
しかも、このうち半数以上は地区オープン(関東、関西、北海道、中部、中四国、九州の各オープン)と関東プロ、関西プロ(ともに1990年で大会終了)という基本的にその地区の選手しか出場できない大会(現在の関西オープンは通常のツアー競技)で記録したもの。
全国規模の大会(チーム戦は除く)に限れば、過去に宮本留吉(日本オープン、日本プロ)、戸田藤一郎(日本プロ)、中村寅吉(日本プロ)、林由郎(日本プロ)、尾崎将司(日本オープンなど11大会)、青木功(日本プロマッチプレーなど4大会)、中嶋常幸(日本オープンなど3大会)、片山晋呉(マイナビABCチャンピオンシップ)の8人しかいなかった。まさに日本プロゴルフ界のレジェント中のレジェンドばかりという顔ぶれで、石川がここに加わったわけだ。
では、同一大会の最多勝は誰の何勝なのか。地区オープンなども加えて記すと、杉原輝雄が関西オープンと関西プロ、尾崎将司がウッドワンオープン広島で記録した9勝だ。
杉原輝雄は同一大会10勝目を息子・敏一に阻止される
“関西のドン”とも称された杉原は1964年に関西オープンと関西プロを初制覇する。その後、両大会で次々に勝利を収め、1986年に関西プロで9勝目をマーク。1990年には関西オープンで9勝目を挙げた。この時、杉原は53歳になっていた。
関西オープンや関西プロはAON(青木、尾崎、中嶋)ら関東の選手は出場できないが、かつては日本オープン、日本プロ、関東オープン、関東プロと合わせて“6大競技”と呼ばれるなど、格式の高い大会。関西の選手にとってはメジャーのような存在だった。
杉原は関西オープンで9勝目を挙げた翌1991年に10勝目のチャンスがあった。6位タイで迎えた最終日にスコアを伸ばし、優勝争いに加わっていたのだ。
実はこの時、首位にいたのが杉原の長男・敏一だった。優勝経験のなかった敏一は2打のリードで迎えた17番でダブルボギーを叩き、先にホールアウトしていた父親と並んでしまった。18番がパーなら前代未聞の親子でのプレーオフ、スコアを落とせば父親の大会10勝目だ。
パー4の18番、敏一は2打目を1.5メートルほどに寄せた。見守る父親は「入れてくれ」と祈っていたという。祈りが通じたのか、敏一はバーディーパットを沈めて初優勝をつかみ取った。前人未踏の同一大会10勝目は成らなかったが、父親としては最高の瞬間を迎えたわけだ。
尾崎が9勝したウッドワンオープン広島は創設時(1972年)には広島オープンという大会名だった。以降、何度か名称を変え、大会の歴史に幕を閉じた2007年の大会名がウッドワンオープン広島である。
大会は主に広島カンツリー倶楽部八本松コースで開催されていた。尾崎は1976年に大会初制覇。9勝目は52歳の1999年だった。
尾崎も惜しいところで10勝目を逃している。2000年は首位に並んで最終日に入った深堀圭一郎と一進一退の激戦の末、深堀に18番でバーディーを奪われて1打差の惜敗。翌2001年は最終日に15位タイから65のチャージをかけて単独首位でホーアウト。大逆転勝利かと思われたが最終組の深堀が16番から圧巻の3連続バーディーを決めてプレーオフへ。1ホール目で尾崎がボギーを叩き、またも深堀に軍配が上がった。
杉原が関西プロで4勝目を挙げた時の年齢が33歳、関西オープンの4勝目は34歳の時だった。石川は現在33歳。ちょうど同じようなペースである(尾崎のウッドワンオープン広島4勝目は42歳だった)。同一大会9勝は、はるか彼方の記録かもしれないが、一歩ずつ近づいてほしいものだ。
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