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日米両ツアーの予選会を突破した吉田優利の“足閉じ素振り”にはどんなメリットがある?
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、米女子ツアーの最終予選会を突破した吉田優利(よしだ・ゆうり)です。
最終予選会は終始落ち着いていた吉田優利
12月初旬に米国アラバマ州のマグノリアグローブGCで米女子ツアーの「Qシリーズ・ファイナル」(最終予選会)が行われました。
2025年シーズンの同ツアー出場資格を争うこの予選会。90ホールをプレーして、通算6アンダー24位タイまでの26人が「上位25位タイ」のカットラインをクリアして、来シーズン前半戦の限定的な出場権を獲得しました。日本勢では山下美夢有選手、岩井千怜選手、岩井明愛選手、吉田優利選手、馬場咲希選手の5名が最終予選会を突破しています。
![終始落ち着いたプレーぶりで最終予選会を9位で突破した吉田優利 写真:Getty Images](/wp-content/uploads/2024/12/yoshidayuri_2024Qfinal_GettyImages-2187087696-2.jpg)
トップ通過したのは、最終予選会に初挑戦した山下選手。印象的だったのは初日の前半のラウンドです。ティーショットでフェアウェイの真ん中にボールを運ぶと、セカンドショットはグリーンセンター狙い。パーオンさせて2パットでパーを取る――。基本的にはこんな内容でプレーしていたんです。ここだけ切り取ると“地味なゴルフ”ですよね。
しかし、最終予選会は90ホールの長丁場の戦い。最初からエンジン全開で挑めば、途中で息切れしてしまいます。終盤にピークがくるように、山下選手は自分のコンディションや周りの様子をうかがいながらプレーをしていたわけです。実際、最終ラウンドの残り16ホールではノーボギーの8バーディーをマーク。2位に6打差をつける通算27アンダーでトップ通過を果たしています。このゲーム運びのうまさには、“2年連続年間女王”の貫録を感じました。
山下選手に続く2位は通算21アンダーの岩井千怜選手でした。通算16アンダー5位タイの明愛選手とともに、そろって予選会を突破しています。また、馬場選手は最終ラウンドの最終ホールで“入れれば圏内、外せば脱落”の長いバーディーパットを沈め、通算6アンダーの24位タイで切符を手にしています。
通算13アンダー9位の吉田選手は、前週に日本ツアーのファイナルQTに出場し、同ツアーの前半戦出場権を確保してこの試合に挑みました。直前に葛城GC(宇刈コース)の難しいコンディションでプレーしたことが良かったのか、日本ツアーで出場権を確保した状態で臨めたことが良かったのか、最終予選会では終始落ち着いてプレーをしているように見えました。
そんな吉田選手が今シーズンの序盤から一貫して続けているのがパターの“足閉じ素振り”です。両足をくっつけた状態でラインを見ながら素振りをして、ストローク直前にスタンスを広げて始動します。
足を閉じてのパターの素振りは振り幅に集中できる
メリットは振り幅に集中できること。実際に打つ時とはかけ離れたスタンスで素振りをすることで、ストローク中の体の動きなどを意識せず、振り幅だけを意識して素振りすることができます。
もちろん、軸ブレを防ぐにも足閉じ素振りは有効です。軸を安定させた状態で振り幅に集中すれば、距離感が合いやすくなります。タッチが合わずに悩んでいる人は、吉田選手のように足を閉じて素振りをすると距離感を合わせやすくなるはずです。
吉田 優利(よしだ・ゆうり)
2000年生まれ、千葉県出身。2019年のプロテストに合格し、21年「楽天スーパーレディース」でツアー初勝利。23年の「ワールドレディスサロンパスカップ」では国内メジャーを初制覇した。24年シーズンは予選会を経て米女子ツアーを主戦場に。CMEグローブポイントランキング102位でシーズンを終えたが、今季終盤に日米の予選会に挑戦して両ツアーの来季出場権を獲得。日本ツアー通算3勝(国内メジャー1勝)。エプソン所属。
石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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