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- 松山英樹の勝利貢献で話題のセンターシャフトパターはアマチュアも試すべき!? 特に効果が期待できるのはどんな人?
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、PGAツアー「ザ・セントリー」で優勝した松山英樹だ。
インパクトのタイミングが早くなるというセンターシャフトの特性
PGAツアーの2025年シーズンは松山英樹選手の通算11勝目でスタートしました。ハワイ州マウイ島のプランテーションコース at カパルアで開催されたこの大会は、例年スコアの伸ばし合いになることでも知られています。
24年大会は通算29アンダーでクリス・カーク選手が優勝し、今大会前までの通算34アンダーという72ホールのツアー記録が生まれたのもこのコースでした。
そんな中、松山選手は最多アンダーパーを1ストローク更新する通算35アンダーの新記録で通算11勝目を挙げました。
松山選手のプレーで印象的だったのはショートゲームのうまさです。元々、ウェッジワークには定評があるプレーヤーですが、今大会は特に傾斜を使って寄せるなどのイマジネーションが冴え渡っていた印象を受けました。
もう一つ、話題に上がっていたのが今大会で初投入したセンターシャフトのパターですよね。昨年のクリスマスの後に手元に届いてハワイ入りしてから試したそうですが、「分からないんですけど、入りましたね」と新しいパターについて語っていました。
その効果もあったのか、今大会の松山選手はパッティングのテンポが非常によかったようにみました。具体的にはトップからの切り返しです。過度に加速することなく穏やかに切り返して等速でストロークしていたことがパッティングが好調だった要因の一つだったのではないでしょうか。
センターシャフトの特性はいくつかありますが、一つはシャフトのラインよりもフェースが前に出る“オンセット”感が強くなることです。今までオフセットパターを使っていた人がこのタイプを使うと、インパクトのタイミングが早くなるため反応がよくなります。
手元が前に出すぎるクセを修正できる
例えば、「転がりが悪い」と感じている人や「出球が安定しない」と悩んでいる人は、手元が前に出過ぎてロフトが立った状態でインパクトをしている可能性があります。適正角よりもロフトを立てたインパクトではボールはスムーズに転がりません。
オフセットタイプを使用していてパットがうまくいっていない人は、一度センターシャフトなどのオンセットタイプを試してみるといいでしょう。
インパクトの反応が良くなり、手元が前に出過ぎるクセを修正することができるはずです。
「センターシャフトは前後の打点のズレに弱い」というデメリットはありますが、最近はパターが進化して慣性モーメントが大きくなっているので以前ほどピーキーではなくなっているはずです。
それでも「ラウンドでいきなり使うのはちょっと怖い」という人は、練習の時だけでもセンターシャフトを取り入れてみるといいでしょう。手元が前に出るクセが緩和されて転がりがよくなっていくはずです。
松山英樹(まつやま・ひでき)
1992年生まれ、愛媛県出身。13年にプロ転向し、同年は4勝を挙げてツアー初のルーキー賞金王に。14年から米ツアーを主戦場に戦い、21年の「マスターズ」で日本人男子初の4大メジャー制覇を達成。同年は日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ」を制し、22年ソニー・オープンでアジア勢最多タイのPGAツアー8勝をマーク。24年の「パリ五輪」では念願の銅メダルを獲得。25年シーズンは「ザ・セントリー」で同ツアー通算11勝目を挙げた。日本ツアー8勝、PGAツアー11勝。レクサス所属
石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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