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- 「緊張するのは悪いこと?」 第一線を退いた上田桃子が“ジュニアゴルファーたち”へ伝えたかったこと
8日に都内で開催された「上田桃子プロ×リポビタン ゴルフにファイトを!ジュニアクリニック」。ツアー通算17勝を誇る上田桃子(うえだ・ももこ)が、参加した14人のジュニアゴルファーへ熱いメッセージを送った。
ツアーから離れ初のジュニアクリニック開催
身振り手振りを交えての熱心な指導と、彼女が発する言葉の一つ一つをかみしめるように聞き入るジュニアゴルファーたち――。昨季限りでツアーの第一線を退いた上田桃子の姿がそこにあった。
8日、都内で「上田桃子プロ×リポビタン ゴルフにファイトを!ジュニアクリニック」が開催され、中高生のジュニアを相手にレッスンやトークセッションを行った。
坂田塾出身の上田は「私はいろんな人と一緒にやる時間が持てていたけれど、ゴルフは個人スポーツで意外と『1人で練習していました』という子が多かったんです。ジュニアをコーチングできたらうれしいなというのは現役中から思っていました」との思いから実現に至った。

今回、クリニックに参加したのは14人。マンツーマンレッスンは1人5分と短い時間だったが、それぞれがショット時の腕の角度や下半身の使い方、パターの打ち方などを教わって貴重な時間を過ごした。
その後に行われたトークセッションでも、モチベーションやミスしたときのメンタルの保ち方などジュニアからの質問に多くのアドバイスを送ったが、中でも印象に残ったのは「緊張するのはすごくいいこと」と前向きなメッセージを発信していたことだった。
上田は「一番の大きなチャレンジはプロテストだった。緊張したけれど、自分の中では一番、覚悟を持って頑張るぞと決めたときだった」と振り返ったが、人生において“緊張する場面”に遭遇するのはそう多くはないかもしれない。
実際、上田も「28年間ゴルフをやってきたけれど、ゴルフのことではそんなに緊張しなくなった。けれどツアー生活から離れ、社会人として頑張るとなったらみんなと同じように緊張する」と打ち明けていた。
世間一般的に、例えば仕事のプレゼンでもスポーツの試合でも「緊張しすぎるとうまくいなかい」と思われがちで、ネガティブなイメージがあるのは確かだ。
「緊張するのは悪いことなのか?」。この問いに対して、上田には経験に裏打ちされた答えがあった。
「緊張感は大事に持っていてほしい」
上田がジュニアに向かって「今日緊張した人いる?」と聞くと、参加したジュニアのほとんどが手を挙げた。それを踏まえてこんな話をしていた。
「緊張することはいいこと。毎日過ごしていて緊張することって、なかなかないよね。ここに“緊張する場”を設けてもらって、ここに来られたことがまずはラッキー。来られない子もいる中で、それが自分のチャンスだし緊張できるチャンスができた。それを次につなげていきたいと思ったなら、それがまず一つのチャレンジになると思う。緊張したと思う人はちょっと上手になりたいなとか、ここから変わりたいなと思っている人たち。だから緊張したんだと思う」
さらにこうも続ける。
「ほかの人はこうしているから、自分もこうしてみようっていうよりかは、まずは今日言われたことができるようになるまで自分でやってみること。それができたら、自分より少しうまい人にアドバイスをもらうというように積み重ねをしていくと、3カ月後、半年後にはいま緊張した自分よりも緊張しなくなっていると思う。なのでそういう緊張感はこれからも大事に持っていてほしい」
緊張するくらい頑張りたいという気持ちでトライして、そこからさらに成長する――。ジュニアへ送ったエールをとともに、新たな環境に身を置く自分への叱咤(しった)にも聞こえた。
上田 桃子(うえだ・ももこ)
1986年6月15日生まれ、熊本県出身。2005年のプロテストに一発合格し、同年の「LPGA新人戦 加賀電子カップ」で優勝した。07年に「ライフカードレディス」で初優勝を遂げると、「ミズノクラシック」など年間5勝を挙げて史上最年少21歳156日(当時)で賞金女王に輝いた。翌年の08年からは米ツアーにも挑戦したが、14年以降は主戦場を国内ツアーに戻した。21年6月に結婚を発表。翌22年の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」でツアー17勝目を飾った。24年11月、自身のインスタグラムで24年シーズンをもってツアーから撤退することを表明した。ZOZO所属。
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