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女子プロが参加するチャリティペアマッチも開催! 男子ツアーの新規大会「リシャール・ミル」が能登で開催へ【小川朗のゴルフ現場主義】
「前澤杯」に続くJGTOツアーの新規トーナメントの詳細が2025年3月4日、東京都千代田区のパレスホテルで発表されました。
女子プロが参加するペアマッチも開催
男子プロと女子プロが組んだペアマッチに無料のゴルフレッスン、花火大会に輪島の朝市……。これはもう、ゴルフ場のアミューズメントパーク化といえるかもしれません。
「ゴルフトーナメントで能登半島を元気に」
長らく低迷が続いていた男子ツアーが相次ぐ新規トーナメントの誕生により、ようやく息を吹き返しつつあります。「前澤杯」に続くJGTOツアーの新規トーナメントの詳細が2025年3月4日、東京都千代田区のパレスホテルで発表されました。
今年新たに開催されるのは「リシャール・ミル チャリティトーナメント2025」。富裕層向けの高級時計メーカー「リシャール・ミル」がスポンサーとなり、石川県の能登カントリークラブで行われます。

7月29・30日の2日間には男女16人ずつがペアを組む「リシャール・ミル チャリティペアマッチ2025」を本戦に先駆けて開催することも決まりました。同週のJLPGAツアー競技日程は空白なので、女子プロのプレーを男子ツアーでも見られるという貴重な機会が実現したわけです。
31日からの本戦4日間もペアマッチと同じく、入場は無料。とにもかくにも「男子プロのプレーを生で見てもらおう。見てもらえれば、そのすごさを分かってもらえるはず」と会見に同席した堀川未来夢、阿久津未来也の両プロ。大会を通してのジュニア育成についても前向きに語っていました。
「男子ツアーに素晴らしいポジティブなニュースが舞い降りたというのが実感です。リシャール・ミルさんには1試合増やしていただいて、賞金も倍額にしていただき、自分たちも寄付に貢献できるということで、本当に選手たちは喜んでいます。これをきっかけに、どんどん男子ツアーが盛り上げればすごくうれしいです」(堀川)
またジュニアゴルファーを無料招待し、大会出場選手によるレッスン会も開催されます。「昨年、軽井沢で(リシャール・ミルの)チャリティーマッチを開催していただいた時に、自分も出場させていただきました。その時にも子どもたちにたくさん足を運んでいただきました。ジュニアの子たちに焦点を当てたイベントというのは、こちらとしてもやりがいがあります。自分の仕事を通して子どもたちと触れ合うことができるという機会を作っていただけたというのは、本当にうれしく思っています」(阿久津)
500万円を被災地支援のため石川県に寄付
レジェンド・中嶋常幸も、穴戸ヒルズ(2月26日、茨城県笠間市)ジュニアのレッスンイベントを終えた際に、こう語っていました。
「日本の男子ツアーも、今は本当にいい選手いっぱい出ています。もちろん全員が100点じゃないけど、ほとんどの選手が立派にプロとして高いパフォーマンスを出しているし、ファンサービスも十分やっている。AON(青木功、尾崎将司、中嶋常幸)なんて、本当にわがままだったよ。時代がそれを許してたっていうのもあるけど、今考えると『よくそんなこといえたな」みたいなことは、いっぱいある(笑)」
特に語気を強めたのが次の部分。「風潮として『女子が女子が』っていう声が多くて、それもすごく腹が立つのよ。『男子を見に来たのかよ。来てみろよって、男子のすごさって、来れば分かるよ』っていいたい。本当にすごいパフォーマンス出せるしね。ぜひツアーを見に来てくれればなぁ、と思ってますよ。来れば分かるから」
確かに今大会も女子の力に頼っている部分もあり、一部には「なんで女子の力を借りなきゃなんないの」(某男子プロ)の声もないわけではありません。男子ツアーは前政権の8年で、落ちるところまで落ちてしまったのも事実。
「マイナスからのスタート」(諸星裕会長)となった現政権が、女子プロの力を借りて、入場料を無料にして、実際に男子のプレーを見てもらうのは、なりふりにかまっていられない現実の裏返しでもあるのでしょう。
「ツアーを見てもらうためには手段を選ばない」と言い換えてもいいかもしれません。
チャリティを前面に押し出しているだけあって、賞金総額を5000万円から1億円に倍増させる一方で、その5%である500万円を被災地支援のため石川県に寄付することを決定。出場選手全員が、石川県の復興に寄与できるシステムになった今大会で使用するホールとは別のパー3で、1つのグリーンに10個のカップを切り、どれに入ってもホールインワンとなる「ホールインワンチャレンジ」も開催予定。これも参加者からの募金を集めます。
チャリティの形はお金にとどまらず、多岐にわたります。
「お金だけではなく、地元の方々を心から楽しませることもチャリティの一つではないか」(リシャールミルジャパン・川崎圭太社長)という発想から子供たちへの無料レッスン、観戦の無料化、ギャラリープラザに「輪島の朝市」が出店し、地元の新鮮な食材や名産品が販売されるほか、花火大会など盛りだくさんの内容で地元の人々を元気にしようというわけです。
男子プロ人気のV字回復に向かう諸星新体制。前澤杯にリシャール・ミルの参入により、その周辺がにわかに騒がしくなってきました。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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