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デシャンボーが今度は“ルール不適合”の“アマゾンで買える”ボールをテスト!? “狂気の科学者”の狙いとは?
世界ランキング1位、スコッティ・シェフラーの圧勝に終わった今年の全英オープン。他の選手が霞む横綱相撲だったが、そんな中でも世間の耳目を集めてみせたのがブライソン・デシャンボーだ。
「ルールをクリアして来年までには完成させたい」
カウフマンいわく、「ブライソンのユニークな練習ラウンドを眺めるのは、実に楽しかった」。ロイヤルポートラッシュのギャラリーも、きっと目を丸くしながら、デシャンボーの常識破りの挑戦を楽しんでいたことだろう。
しかし、そのボールがルール不適合であり、試合では使用できないことは、もちろんデシャンボーは百も承知している。
これまでもデシャンボーは、独自の科学的視点に基づき、自身に最適な道具やスイングを見い出しては、実戦で使用してきた。
同一レングスのアイアンをバッグに入れ、ボールを塩水に付けた上で選定した。ステーキを1日に5食以上も食べて体重と筋肉を激増させることで飛距離アップを試みたこともあった。3Dプリンター製のアイアンを握ったこともあった。
そんな彼のことを、米メディアは「マッド・サイエンティスト(狂った科学者)」と呼んでいるが、「狂った」という言葉には、「クレイジーなほど面白いことをやってくれ」という密かなる期待も込められている。
とはいえ、デシャンボー自身は周囲からどう見られようとも意に介さない。なぜなら、彼の中にはゴルフをする上での自分なりのポリシーがしっかりと確立されているからだ。
「僕のゴルフに対する見方は、他の選手たちとは少し異なっていると思う。試合に出るなら勝ちたいというのは僕もみんなも同じだが、僕は勝つこと以上に子どもたちや若者たちにいい影響を与えたい。そのためにゴルフをやっている」
自分の意見や主張に自信を抱き、そのための研究や努力を惜しまず、積極的に前向きにチャレンジしていく。その姿勢を見せたいし、知ってもらいたい。彼ならではの科学的追求は、その一環であるとデシャンボーは言う。
「曲がらないボール、理想のボールを作り出すことは、なかなか大変だ。時間がかかるし、この全英オープンに間に合わなかったことは、とても残念だった。でも(ルール不適合を適合にすべく)課題をクリアしていきたい。来年までには完成させたい」
デシャンボーのボール探しの旅が終わるころ、彼の次なるメジャー制覇が見られるかもしれない。その日が今から待ち遠しい。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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