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- しゃべりのプロでも違った緊張感… 選手を気持ちよく送り出す「スタートアナウンス」の難しさとは?【女子ゴルフ BACK STAGE】
主に国内女子ツアーの実況やリポーターとして活躍する小西綾子さんが、女子ゴルフのバックステージにいるからこそ知り得た情報やエピソードを明かしてくれる連載『女子ゴルフ BACK STAGE』がスタートしました。
日本のスタートアナウンスはギャラリーに親切!?
主に国内女子ツアーの実況やリポーターとして活躍する小西綾子さん。軽妙な語り口で人気の彼女が、女子ゴルフのバックステージにいるからこそ知り得た情報やエピソードを明かしてくれる本連載。1回目はステップ・アップ・ツアーの現場から、今週、小西さん自身が担当する「スタートアナウンス」のあれこれをお届けします。
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ゴルフトーナメントのシーズンも終盤に差し掛かってきました。今週のステップ・アップ・ツアーは唯一の4日間大会「SkyレディスABC杯」(兵庫県・ABCゴルフ倶楽部)が開催されています。
今週のわたしの担当は「スタートアナウンス」。1番ホールに設置されたテントから、ティーオフする選手のコールをする仕事です。ちなみにABCゴルフ倶楽部はテントが選手の真後ろに設置されるため、わたしがアナウンスする場所は超・特等席! 選手がティーアップする位置や、弾道の違いなども一目瞭然。贅沢な場所ですね。

さて、その「スタートアナウンス」ですが、内容は出身地と優勝歴、今季の主な成績、所属先などが一般的です。そしてこの形式、日本ならではのものなのかもしれません。アメリカのLPGAツアーを見ていると、アナウンスをする方は立った状態で選手の出身と名前をサラッと言うだけ。「フロムジャパン、アヤカ・フルエ」という感じです。それに比べると日本はギャラリーの方に極めて親切なアナウンスですよね。申ジエ選手の優勝回数(世界各ツアー合わせて通算65勝)がアナウンスされると、「おー」という低い声のどよめきが起きたりしますから。
プラスして「本日がお誕生日です」と付け加えることもあります。ギャラリーの方々からあたたかい「おめでとう!」のかけ声と拍手が起こるのはとてもうれしいことですが、それによって選手の緊張感を高めてしまったり、集中力を切らせてしまったら本末転倒。難しいところですよね。
レジェンド岡本綾子からいじられる!?
選手側の気持ちを聞いてみると、初優勝を遂げたあとに「◯◯トーナメントで初優勝を飾っています」というアナウンスが加わったときに、あらためて優勝を実感してうれしかった、というようなエピソードはよく耳にします。

これは良くないことではありますが……、アナウンスを噛んでしまうことも時にあります。そんなときは「どうかナイスショットが出ますように」と心の中で祈り、ナイスショットが出ると正直ホッとするものです(笑)。とにかく選手がリズムを崩すことなく、気持ちよくスタートしてもらえるのが一番です。
中継の実況やリポーターが主な仕事であるわたしにとって、スタートアナウンスを担当するのは今シーズンこの大会が唯一。中継で解説をされている岡本綾子プロには毎回「ずいぶんよそ行きの声ね」といじられています(笑)。普段よりはワントーン高い声になっているのでしょうか!? 自分では落ち着いた声でできるようには心がけているつもりなのですが……。
最終組がスタートすると一旦業務は終了。翌日のペアリングが発表されるまでは長い中休みとなりますが、わたしにとってはその時間がとても貴重! 翌週以降の中継に備えてたっぷり取材をしたいと思っています!!
小西綾子(こにし・あやこ)

大阪府出身。日本体育大学 大学院体育科学研究科修士課程修了。大学院卒業後、スポーツ科学関連への進路もあったが、身近に感じたスポーツの楽しさ、醍醐味を伝える仕事をする決心をし、それまでのキャリアを捨てしゃべり手としての人生をスタート。ゴルフ中継の実況、ラウンドリポートに定評あり、インタビュアーとして選手からの信頼も厚い。主な出演番組は「JLPGA レギュラーツアー・ステップアップツアー中継」実況・ラウンドリポーター・インタビュアー(スカイA、U-NEXT)、「LPGA 女子ゴルフツアー中継」実況(WOWOW)、「マナミ&光里のGOLF LOVERS」司会(J:COM BS、ゴルフネットワーク、スカイA )
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