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- ツアー初優勝の仲村果乃 開幕目前に即実行した師匠・吉川なよ子のアドバイスが勝因に
「樋口久子 三菱電機レディス」最終日、首位と3打差の4位タイからスタートした仲村果乃(なかむら・かの)が「66」をマーク。通算14アンダーで悲願のツアー初優勝を飾った。
人生を変えた師匠・吉川なよ子との出会い
◆国内女子プロゴルフ第32戦
樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 10月31日~11月2日 武蔵丘ゴルフコース(埼玉県) 6690ヤード・パー72
最終18番パー5、仲村果乃は2位以下に1打リードしていることを認識していた。
ボギーさえ打たなければ逃げ切れる状況だったが、ピンを果敢に攻めるマネジメントを選択。まずは、2打目を得意な距離であるピンまで残り85ヤード地点に運ぶと、迷うことなく49度のウェッジを手にした。
リキむことなく、いつも通りのスイングをしておけば、ピンに寄る自信はあった。その読み通り、ボールはピンの1メートル手前に止まる。ウイニングパットをきっちりと沈め、ツアー出場50試合目を見事初優勝で飾った。
ホールアウト後のインタビューでは、優勝の喜びを一番に伝えたいのは師匠・吉川なよ子と答えた仲村。ツアー29勝のレジェンドだが、仲村が高校1年生のとき、たまたま通う練習場でアマチュアにレッスンしている吉川の姿を見たのがきっかけだった。
「ああ、この方に(レッスンを)お願いしたいなと思ったんです」。以来、吉川との師弟関係は今でも続いているが、レッスンだけでなくメンタル面でも助けてもらったことは少なくない。
「2度目のプロテストで、1打か2打足りずに落ちたんですけど、泣きじゃくる私に先生は『落ちたからって死ぬわけじゃないんだから大丈夫』って言われて。そっか、死ぬわけじゃないから頑張るかなと思いました」。吉川の人間性にも惹かれていただけに、師匠の言葉が素直に入ってくるのだろう。

もちろん、技術的にも吉川の教えは大きな助けとなっている。
実は今大会の直前にも吉川から指導を受けていた。「トップが大きくなりすぎているので、どうにか抑えたいと伝えたんです。残り試合も少なくなっていましたが、妥協したくはなかったのでレッスンをお願いしました」。
仲村によると、トップが大きいことで右サイドが伸びてしまい、ダウンスイングでクラブが下りてくる軌道が安定しなかった。それを解消するために、ハーフショットで打つイメージでスイングしてみると、予想以上に感触が良かったという。
「スイングを小さくしたことで、これまで取れなかったリズムをつかみやすくなりました」と、思わぬ副産物もあった。今大会ではショットの調子が良く、それが好スコアにつながったが、吉川のレッスンを受けていなければ、通算14アンダーまでスコアを伸ばせなかったかもしれない。
結果的に、吉川との出会いは大きなターニングポイントとなったが、吉川にとっても愛弟子のツアー初優勝はうれしかったらしく、電話で報告をした際には涙を流して喜んでいたという。
「吉川さんからは自分の勝利数を超えてほしいと言われています」という仲村。その視線は早くも2勝目へと向いていた。
仲村 果乃(なかむら・かの)
2001年7月3日生まれ、京都府出身。11歳からゴルフを始め、22年のプロテストに合格。同期は神谷そら、小林光希、ウー・チャイェンら。翌年に行われた「JLPGA新人戦加賀電子カップ」で3位に入る。25年「樋口久子 三菱電機レディス」で悲願のツアー初優勝を飾った。
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