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- 「つらい日のほうが多かった」金澤志奈がプロ9年目で見つけた、自分だけの勝ち方【独占インタビュー後編】
「つらい日のほうが多かった」――。若手の台頭に焦り、我慢を重ねた9年間。本格的な肉体改造で安定を手にし、金澤志奈は初優勝へ辿り着いた。2026年に掲げる「2勝」への覚悟を明かす。
羨望と焦燥。我慢を続けたプロ生活
「つらい日のほうが多かった」――。
昨年の「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」の優勝会見で漏らしたその言葉には、決して順風満帆ではなかった金澤志奈の泥臭い歩みが凝縮されていた。オフの合間に行われたインタビューで、人知れず抱えてきた葛藤、自分を支え続けた存在、そして「年間2勝」を掲げる2026年への決意を語った。

金澤は自身のキャリアを「決して成長が早い選手ではなかった」と冷静に振り返る。近年の女子ゴルフ界では、10代でプロ入りし、すぐに優勝を飾る選手も珍しくない。
「若くして優勝したり、安定して上位に入ったりする新人選手を見ると、正直うらやましさもありました。私はプロ9年目での優勝でしたが、毎年、努力の強度はどんどん上がっていく。その中で、それを我慢して、必死にやりこなしてきたプロ生活だったと思います。今回の優勝は、その“我慢”へのご褒美だと感じています」
そんな彼女を支えてきたのは、周囲の温かな眼差しだった。
「結果が出ない時期は、自分のゴルフを疑いそうになることもありました。でも、身近に申ジエさんという、これ以上ないお手本がいた。誰よりも強いのに、誰よりも練習し、研究している。その姿を見ていると『自分はまだまだ足りない』と痛感させられるばかりで、疑っている暇もなかったです」
「沈んでいる時にそっと見守ってくれた母や、厳しくも温かく指導してくださった金愛淑プロ……。私を心配し、支えてくれた周囲の皆さんすべてが、ここまで連れてきてくれました」
本格的なウエイトによる肉体改造が、技術とメンタルを安定させた

金澤は、いわゆる「飛ばし屋」ではない。そんな彼女が難度の高いコースで勝ち切れた最大の要因として挙げるのが、3年前から本格的に取り組んできた「体づくり」だ。
「私の中では、まず体力、次に技術、その先にメンタルがある、という順番なんです」
「ジエさんと、ジエさんのトレーナーさんと一緒に、本格的なウエイトトレーニングに取り組んできました。体力がついたことで練習時間も増えましたし、いろいろなテクニックを試せる余裕も生まれました」
以前は、試合を重ねるにつれてスイングの悪い癖が顔を出していたという。
「でも、去年や今年はそれがかなり少なくなりました。体力がついたことで、最後まで攻めのスタイルで行ける自信が持てた。それが技術、そしてメンタルの安定につながったと思います」
自分の弱点から目をそらさず、毎日同じことを淡々と積み重ねる。1日で劇的に変わることはなくとも、その積み重ねが「自分のゴルフを貫けば勝てる」という確信へと変わっていった。
2026年は「2勝」、その先は「記憶に残るプレイヤー」に

初優勝を経験しても、金澤の中に驕りはない。2026年の目標を問うと、迷いのない言葉が返ってきた。
「大きく何かが変わったわけではありませんが、まだまだ課題はあります。努力を続けながら、2026年は年間2勝を目標にしたい。勝利数だけでなく、安定感も重視していきたいです」
「オフの合宿では、これまでの体づくりをベースに、スイングをより強く振り抜くスピードを重点的に高めていきたいと考えています」
将来、どのようなゴルファーとして記憶されたいか。そう問うと、彼女はファンへの想いを口にした。
「記録も大切ですが、それ以上に、ファンの皆さんの“記憶”に残るプレイヤーになりたいです。優勝した時、支えてくれた方々が本当にいい笑顔を見せてくれた。それが何よりうれしかった」
「地元の方、家族、そしてチームの皆さんに、結果で恩返しができたことを本当に幸せに思います。ゴルフを続けてきて、本当によかったです」
その言葉の裏には、9年間の葛藤を乗り越えた者だけが知る、深い実感があった。
地元・茨城の空に誓った新たな決意とともに、金澤志奈のプロ10年目が、今まさに幕を開ける。
取材・構成/キム・ミョンウ
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