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- 桑木志帆はなぜ勝てなかった? ショット最強でも届かなかった一打 今季“逆襲”の鍵はサンドセーブ
メジャー含む3勝を挙げた2024年から一転、昨季は未勝利に終わった桑木志帆(くわき・しほ)。ショットスタッツは向上する一方、決勝ラウンドで勢いを生む1打が不足。鍵はサンドセーブ率改善にある。
2024年メジャー含む3勝も、2025年は未勝利

2024年にメジャーを含む3勝を挙げ、メルセデス・ランキング6位に入った桑木志帆。さらなる飛躍が期待された2025年シーズンでしたが、結果は未勝利に終わりました。

ただし、スタッツを見る限り、内容が大きく落ち込んだわけではありません。トップ10入りの回数は、2024年が36試合中17回で3位、昨季は31試合中15回で4位と、上位フィニッシュの確率はほぼ同水準でした。平均ストロークも、2024年の8位から昨季は6位へと向上しています。
それでは、なぜ勝利に届かなかったのでしょうか。ラウンド別のデータを整理すると、その理由が浮かび上がってきます。
ラウンドが進むにつれて失われた伸び

昨季のメルセデス・ランキングは9位で、シーズントータルで見れば十分に高水準だったと言えます。しかし、ラウンドごとの平均ストロークを見ると、課題が明確になります。
第1ラウンドは2位、第2ラウンドは4位だった一方で、第3ラウンドは15位、第4ラウンドは27位。ラウンドが進むにつれてスコアを伸ばし切れない傾向がはっきりと表れていました。
予選ラウンドと決勝ラウンドを比較しても、予選が2位、決勝が13位となっています。上位で週末を迎えながら、優勝争いの局面で一段ギアを上げ切れなかった試合が少なくありませんでした。勝利への想いの強さが、結果として焦りにつながっていた可能性も考えられます。
ショットは進化、しかしバンカーが壁となった
ショットに関する指標は、むしろ進化しています。トータルドライビングは2024年、昨季ともに1位。パーオン率は11位から4位へ、ボールストライキングも4位タイから1位タイへと向上しました。
その結果、平均バーディー数は6位から2位に上昇し、パーセーブ率も16位から8位となりました。ショット力の向上をスコアに結びつける場面は、確実に増えていたと言えます。
一方で、大きく数字を落としたのがサンドセーブ率でした。2024年は15位でしたが、昨季は54位。バンカーにつかまった際にボギー以上を叩く確率が高くなってしまいました。
また、2024年に1位だったイーグル率も、昨季は42位タイまで低下しています。攻める姿勢を持ち味とする桑木にとって、バンカーやビッグチャンスの場面で流れを断ち切られたことが、「勢いづく1打」を奪った要因だったと考えられます。
パットのデータにも、その攻めの姿勢は表れています。パーオンホールの平均パット数は11位である一方、3パット率は64位。「グリーンに乗ったら1パットを狙う」という強気な姿勢が、数字からも読み取れます。
オフのショートゲーム強化が流れを変えるか
昨季のメルセデス・ランキング上位18人の中で、国内ツアー未勝利に終わったのは桑木ただ一人でした(※)。シーズンを通して安定的にポイントを積み重ねたとも言えますが、2024年の実績を考えると「勝ち切れなかった」と表現する方が適切でしょう。
最終戦「ツアーチャンピオンシップ リコーカップ」を25位タイで終えた後、桑木はインスタグラムに「この試合は私の1年を見ているかのような試合でした」と投稿しました。この大会でのサンドセーブは7回中1回にとどまり、悔しさの残る内容でした。
「来年はまたここにパワーアップして帰ってきます」。その言葉通り、オフシーズンには例年以上にバンカーショットを含むショートゲームの練習に時間を割いている可能性があります。
バンカーの精度が上がれば、より思い切ってグリーンを狙えるようになります。近年続くパーオン率向上の流れが今季も維持できれば、トータルドライビング、ボールストライキングにパーオン率を加えた“ショットスタッツ3冠”という展開も十分に考えられるでしょう。
未勝利の鬱憤を晴らせるのか。今季開幕から、桑木志帆の一打一打に注目が集まります。
(※)メルセデス・ランキング10位の山下美夢有は、日本ツアー未勝利ながら全英女子オープンで優勝しています。
桑木 志帆(くわき・しほ)
2003年生まれ、岡山県出身。21年6月に実施されたプロテストに合格し、同年の新人戦「加賀電子カップ」で優勝。23年は「ブリヂストンレディス」(3位タイ)、「資生堂レディス」(2位)、「北海道meijiカップ」(2位)、「CAT Ladies」(3位)、「TOTOジャパンクラシック」(2位タイ)などの活躍で、メルセデス・ランキング10位に入る。24年6月「資生堂レディス」で悲願のツアー初優勝を遂げ、8月の「ニトリレディス」でツアー2勝目。11月の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で初のメジャー制覇を成し遂げた。
解説:野洲明(やす・あきら)
ゴルフ活動家/各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。
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