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- 年間女王・佐久間朱莉に“死角”あり? パー4&パー5は無敵でも連覇を阻む意外な弱点
飛距離向上でパー4・5を席巻した佐久間朱莉。年間女王の原動力はパットの進化だったが、連覇へはアイアン精度向上と“ジャンボイズム”の昇華が焦点となる。
大差でつかんだ年間女王
佐久間朱莉は昨季、シーズン前に「目標は初優勝」と語っていました。そしてその目標を4月に達成します。そこからさらに3勝を積み重ね、最終的には2位に850ポイント以上の大差をつけて年間女王に輝きました。獲得賞金でも2位に約1億円差をつける圧倒的なシーズンでした。
36試合に出場して4勝、トップ10入り19回はいずれもツアー1位です。「4月のKKT杯バンテリンレディスでツアー初優勝を飾り、その勢いのまま年間女王へ」という流れは、2024年の竹田麗央とも重なります。

過去5シーズンのメルセデス・ランキング1位選手の翌年を見ると、渋野日向子は米ツアー出場を増やしながら国内2勝、古江彩佳と竹田は主戦場を米ツアーへ移してルーキーイヤーで初優勝、山下美夢有は翌年も1位、さらにその翌年は2位と、いずれも高いレベルを維持しています。
今季も国内ツアーが主戦場となる佐久間には年間女王としての期待が集まる一方、スタッツが示す“伸びしろ”も見えてきます。
飛距離向上がもたらした武器
佐久間は2022年以降、メルセデス・ランキングを33位、25位、8位、1位と着実に上げてきました。その要因の一つがドライビングディスタンスの向上です。
2022年、23年は29位、33位でしたが、24年は14位、昨季は10位まで上昇しました。“もともと飛ばす選手”ではなく、“飛距離を伸ばした選手”である点が特徴です。
昨年12月に亡くなったジャンボ尾崎に師事し、「とにかく振れ」という指導のもと、尾崎手作りの素振り棒を使ったトレーニングに取り組んできたことが飛距離アップにつながったと考えられます。
その効果はスコアにも直結しました。昨季のパー4平均スコアは8位、パー5は3位でしたが、今季はいずれも1位です。ロングゲームの強化がそのまま“得意ホール”の量産につながっています。
アイアン精度が連覇への分岐点

一方で、飛距離向上をパーオン率へ十分に結びつけられたとは言い切れません。パーオン率は2024年の5位から昨季は13位へ低下しました。ボールストライキングも1位から8位に下がり、アイアンショットの精度が課題として浮かび上がっています。
ドライバーを使わないパー3平均スコアも14位から22位へ後退しました。ロングゲームに対し、ショート〜ミドルアイアンの精度に改善の余地があることが数字に表れています。
それでも年間女王と平均ストローク1位を獲得できた背景には、パッティングの進化があります。パーオンホール平均パット数は11位から4位、1ラウンド平均パット数は32位から7位へ向上しました。パットでスコアを積み上げたシーズンだったといえます。
今季は小祝さくらの復帰や、荒木優奈ら若手の台頭も予想されます。連続年間女王を狙う上で、アイアン精度の向上は不可欠です。
尾崎の「とにかく振れ」という言葉は、単なる飛距離アップの指導ではありません。羽付きの素振り棒で抵抗に打ち勝つトレーニングは、体幹強化とスイングバランスの安定、すなわちショット精度向上まで見据えたものでした。
強く振る力を“正確に使う”段階へ進めれば、ボールストライキング1位返り咲きも現実味を帯びてきます。佐久間がインスタグラムに記した「これからもたくさん勝って報告に行きます」という言葉通りのシーズンとなるのか、注目が集まります。
文:野洲明
ゴルフ活動家/各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。
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