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溜まった罰金は5億円近く!? 頑なに支払いを拒否するラームは欧州ツアーの“最後通告”を受け入れるのか?
DPワールドツアーがリブ勢8人に対する今後の罰金免除を発表。しかし訴訟中のラームは対象外。支払えば復帰、拒めば孤立……。“選別救済”の裏にあるツアーの本音とは。
“罰金”は元々あった制度をリブゴルフ選手に適用したもの
リブゴルフ選手がPGAツアーや欧州をベースとするDPワールドツアーに「出場したい」「戻りたい」と望んだとき、避けて通ることができない障壁の一つは、かつての主戦場から科されて積み上げられている巨額の罰金の支払いである。
この罰金、リブゴルフに移籍したことに対するペナルティーだと思われている節があるが、そういうものではない。この罰金はPGAツアーにも、DPワールドツアーにも、リブゴルフが創設されるずっと以前から存在している決め事の一つである。
たとえば、DPワールドツアーのメンバーである選手が、DPワールドツアーの試合が開催される週に、たとえば日本ツアーの試合に出場したら、DPワールドツアーはこの選手に罰金を科す。
ただし、そこには、「DPワールドツアーに断りもなく、他ツアーの大会に勝手に出た場合は罰金対象」という但し書きが付けられている。

PGAツアーでも、同様の決まりが定められている。さらに言えば、PGAツアーでは、たとえば「アーノルド・パーマー招待」と同週に「プエルトリコオープン」が開催されるが、パーマー招待の出場資格を持つ選手が、何らかの理由で、ツアー側に「断りもなく」プエルトリコオープンに出場したら、これも罰金の対象になる。
もちろん、シグネチャーイベントを蹴って、同週開催の小さい方の大会に出ることはまずないのだが、一つの可能性として、そういうケースも想定はされている。
PGAツアーでもDPワールドツアーでも、ここでカギになるのは「断りもなく、勝手に、他のツアーに出る」という部分だ。「申請し、承認を得る」という手順を踏みさえすれば、罰金を科されることはない。
リブゴルフ選手は自身の古巣のPGAツアーやDPワールドツアーに「断りもなく」リブゴルフの大会に出場している形になっているため、彼らはリブゴルフの大会に出るたびに、古巣のツアーから罰金を科され、積み上げられている。
ちなみに、ジョン・ラームがDPワールドツアーから科されている罰金のトータルは、すでに200万ドルとも300万ドルとも言われている。だが、ラームは「払うつもりはない」と言い切り、ティレル・ハットンとともにDPワールドツアーを提訴したが、諸々の手続きは遅々として進まず、進展はまったく見られない。
そんな中、DPワールドツアーは2月21日に声明を出し、8名のリブゴルフ選手に対し、今後は罰金を科さないことを発表した。
この発表にも但し書きが付けられており、DPワールドツアーが掲げたいくつかの条件をすべて受け入れるのであれば、「DPワールドツアーのメンバーシップを復活させ、リブゴルフ出場に対する罰金を免除する」「この規定は2026年シーズンのみ有効」と記されていた。
その「8名」は、ハットン、ローリー・カンター、トーマス・デトリー、トム・マッキビン、エイドリアン・メロンク、デビッド・プーイッグ、エルビス・スマイリーという顔ぶれだ。
驚かされたのは、ラームとともにDPワールドツアーに対する訴状を提出したハットンが含まれていたこと。そして、ビッグスターであるラームが、このリストに含まれていなかったことだ。
DPワールドツアーが掲げたいくつかの条件とは、「これまでに科された罰金を全額支払うこと」「DPワールドツアーに対するあらゆる訴訟を取り下げること」「DPワールドツアーが指定する2~3試合を含め、年間、最低でも4試合以上に出場すること」とされている。
つまり、この8名はDPワールドツアーから掲げられた条件をすべて受け入れ、すでに罰金も支払ったと考えられる。そしてハットンは、すでに訴状を取り下げ、ラームとは異なる道を歩み始めたと考えていい。
なぜDPワールドツアーは、ここへ来て罰金を取り下げたのか。最大の理由は、リブゴルフへ移籍しているグッドプレーヤーたちに、なるべく多くのDPワールドツアーの大会に出場してもらい、盛り上げてほしいと願っているからだ。
DPワールドツアーが発信したリリースには、こう記されていた。
「条件を受け入れてくれた選手たちは、今後、DPワールドツアーの価値を高めてくれるはずだ。メンバーシップを取り戻した選手たちにとっても、大きな恩恵がもたらされるはずだ」
「はっきり言わせてもらおう。僕は罰金を払うつもりはない」
今回、罰金が免除された8名以外のリブゴルフ選手のDPワールドツアーのメンバーシップは、どうなっているのかが気になる。
ちなみに、リー・ウエストウッドとイアン・ポールターは、すでにDPワールドツアーのメンバーシップを返上しており、彼らはもはや同ツアーの正式メンバーではなくなっている。
セルヒオ・ガルシアは25年シーズンにDPワールドツアーが規定している義務試合数「4試合」を満たすことができず、メンバーシップは「欠格」となった。しかし、ガルシアはすでに罰金を全額納めたため、今季はスポンサー推薦による出場は可能とされている。
今年1月にリブゴルフから脱退したパトリック・リードは、今季はDPワールドツアーのポイントランキングでトップ10入りを果たしてPGAツアーへ返り咲こうとしているが、彼はDPワールドツアーから科されて積み上げられていた100万ドルほどの罰金を、すでに支払ったと言われている。
そんな具合で、どうやらDPワールドツアーは、個々の選手のそれぞれの事情や希望を考慮しつつ、個別の対応を行っている様子である。
しかし、罰金の支払いを頑なに拒否し、DPワールドツアーを相手取った訴訟も取り下げる様子を見せないラームに対しては、「払うべきものは、払え」という強い姿勢を維持したままである。
振り返れば、23年12月にリブゴルフへ移籍したラームは、24年シーズンを迎えると、すぐにこう言っていた。
「僕は罰金というものが決して好きではない。はっきり言わせてもらおう。僕は罰金を払うつもりはない。これからDPワールドツアーと交渉する」
ラームが「払わない」と言っても、24年まではリブゴルフが選手に代わって罰金を支払っていた。しかし、リブゴルフの新CEOに就任したスコット・オニール氏は「25年からは、リブゴルフは選手の罰金を肩代わりすることをやめる」と発表。
以後、罰金は個人負担に変わり、巨額に膨れ上がっている罰金の支払いをラームが拒み続けている理由や意図は何なのか。
DPワールドツアーから「戻ってきてほしい」と思われていることを逆手に取って、好条件のオファーを待っているのか。それとも、単なる意地で「嫌だ! 払いたくない!!」と駄々をこねているだけなのか。
今回の発表の少し前に、ラームはこう言っていた。
「この件(罰金等々)については、僕はあんまりよく知らないんだ。マネージャーらがいろいろやっていて、交渉もしているはずだ」
知らないはずはない。27年ライダーカップに欧州チームのメンバーとして参加するためには、DPワールドツアーに罰金を支払って、メンバーシップを復活させることがマストである。
何かを手に入れるためには、歩み寄りや多少の妥協は必要である。「知らぬ、存ぜぬ」は通らない。ラームは、そろそろ覚悟と姿勢を明確化すべきときである。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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