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- なぜ2オンを狙わなかったのか 吉田鈴が明かした“優勝を引き寄せた18番の決断”
国内女子ツアー「ヨネックスレディス」で初優勝を飾った吉田鈴(よしだ・りん)。運命の18番パー5では2オン可能な距離が残ったが、あえて刻む選択をした。その冷静な判断が悲願の初優勝につながった。
「そういうことをする場面じゃないと思った」
◆国内女子プロゴルフ
ヨネックスレディスゴルフトーナメント 6月5~7日 ヨネックスCC(新潟県) 6483ヤード・パー72
吉田鈴が初優勝を決めた最終18番パー5。その場面には、22歳の冷静な判断力が凝縮されていた。
単独首位で迎えた最終ホール。17番でボギーを喫した直後だったが、ティーグラウンドでスコアボードを確認すると、後続に2打差があることを把握したという。

「17番が終わった時は並んだのかなと思ったんですけど、2打差あったので。相手がバーディーを取っても大丈夫な位置だったので、パーを取りに行こうと思いました」
しかし、キャディーの考えは少し違った。
「キャディーさんは『バーディーを取りに行こう』という感じでした。そういう方が案外パーを取れたりするので」
勝負を決める最終ホール。攻めるか守るか。その選択を迫られることになった。
2オン可能な距離でも“刻み”を選択
ティーショットをフェアウェイに運んだ吉田には、2オンも視野に入る状況が残されていた。
実際、本人も「しっかり打てば乗る距離だった」と振り返る。
だが、残りは211ヤード。少しでもミスをすればバンカーにつかまるリスクもあった。
「私的にはミスしたらバンカーだったと思うので。そういうことをする場面じゃないと思っていました」
そして、自らの考えを優先した。
「正解はないと思うんですけど、私がそういうことをする場面じゃないと思ったので刻みました」
無理にヒーローショットを狙うのではなく、勝率を高める選択を取る。それが吉田の結論だった。
84ヤードからの一打が優勝を決めた
刻んだことで残ったのは84ヤード。
50度のウェッジで放った3打目はピンそば約1メートルへ。最高の位置につけると、そのバーディーパットを沈めて優勝を決めた。
派手さより確実性を選んだ結果だった。
この日の吉田は、首位を追われる展開になっても慌てなかった。ハーフターン時に差が縮まっても「気持ちがざわざわしたことは全然なかった」と語り、最後まで自分のプレーに集中し続けた。
優勝争いの終盤になるほど攻撃的になる選手もいる。しかし吉田は違った。
リスクとリターンを冷静に計算し、その時点で最も勝利に近い選択肢を選び続けた。
18番の刻みは、一見すると保守的な判断に映るかもしれない。だが、ツアー初優勝という結果を見れば、それが最も勇気のある決断だったことは間違いない。
勝負どころで感情に流されず、自分を信じて選択する――。吉田鈴の初優勝は、そんな冷静なマネジメントによって引き寄せられた勝利だった。
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