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- 山下美夢有ら日本勢17人が挑む“174の罠” 今週開幕「全英女子」勝負を左右する最大の難所とは
今季最後のメジャー「AIG女子オープン(全英女子)」がロイヤルリザム&セントアンズGCで開幕する。ディフェンディングチャンピオンの山下美夢有(やました・みゆう)をはじめ、日本勢17人が世界屈指の難コースに挑む。174個のポットバンカーをどう攻略するかが、優勝争いの大きな鍵となりそうだ。
数々のドラマを生んだポットバンカーをどう避けるか
◆米国女子
AIG女子オープン(全英女子) 7月30日~8月2日 ロイヤルリザム&セントアンズGC(イングランド) 6585ヤード・パー72
世界トップクラスのプレーヤーが警戒するのはライバルだけではない。開催コースのロイヤルリザム&セントアンズGCが持つリンクス特有の風、そして174個のポットバンカーである。以前は200個以上あったポットバンカーだが、近年のコース改修に伴い現在の数に整理された。ただ、選手の飛距離アップなどによって意味をなさなくなったバンカーが姿を消しただけで、数は減ったもののコースの難度が下がったわけではない。むしろ、一つ一つのバンカーがより戦略的な役割を担うようになったといえる。

12年の「全英オープン」では、残り4ホールで4打のリードを築いていたアダム・スコット(オーストラリア)がまさかの4連続ボギーを叩いて優勝を逃した。致命的となった18番のボギーはティーショットをポットバンカーに入れたことが原因だった。また、タイガー・ウッズ(米国)も同年の最終日に6番パー4でセカンドショットをポットバンカーに入れ、トリプルボギーを叩いて優勝争いから後退した経験がある。どちらもわずか1ヤードの誤差が招いた結果だった。1打のミスが2打、3打のロスにつながる。それがリンクスの恐ろしさである。
優勝争いでは飛距離よりも、ポットバンカーを避けるショットコントロールが重要になる。特に上がり3ホールのポットバンカーは要注意だ。18番グリーンにたどり着くまで気が抜けないからこそ、思わぬドラマが生まれる可能性もある。
もちろん、ポットバンカーだけがハザードではない。クラブヘッドに絡みつく深いラフは距離感を狂わせ、硬く止まりにくいグリーンも攻略を難しくする。さらに、ロイヤルリザム&セントアンズGCは比較的内陸に位置するためコースから海は見えないが、海から吹き込む特有の風はプレーヤーを苦しめる。視覚と実際の風向きが一致しない独特の難しさもあり、ほかのメジャーとはひと味違う攻め方が求められる。
日米両ツアーの年間女王争いにも影響か
そんな難コースに挑む日本勢は17人である。最も注目を集めるのは、昨年の「全英女子オープン」を制した山下美夢有だ。ディフェンディングチャンピオンとして大会に臨むが、今季はメジャー優勝こそないものの、6月「マイヤーLPGAクラシック」で優勝し、トップ10入りは8回。CMEグローブポイント4位、世界ランキング4位につけるなど、日本のエースとして安定したシーズンを送っている。ショットコントロールの精度にも定評があり、3週前の「アムンディ・エビアン選手権」で4位タイ、前週の「ISPS HANDAスコットランド女子オープン」でも5位タイに入るなど、順調な仕上がりを見せている。
そのほか、「アムンディ・エビアン選手権」で1打差の3位に入った岩井明愛、同大会で4位タイと調子を上げてきた昨年の「シェブロン選手権」覇者・西郷真央にも注目したい。さらに、前週の「ISPS HANDAスコットランド女子オープン」で最終日最終組をプレーし、8位に入った原英莉花も、好調を維持できれば上位争いに加わる可能性は十分ある。
また、昨年の「アムンディ・エビアン選手権」を制した古江彩佳、今季は苦戦が続くものの「全米女子オープン」を2度制している笹生優花、19年の「全英女子オープン」覇者・渋野日向子といったメジャー優勝経験者も有力候補である。
さらに、佐久間朱莉、桑木志帆といった国内ツアーを主戦場とする選手もスポット参戦する。海外メジャーでの経験を重ねているだけに、本来の力を発揮できれば上位進出も十分期待できる。2人は国内ツアーで年間女王争いを繰り広げているが、海外メジャーはメルセデス・ランキングのポイント配分も大きく、今大会の結果が今後の年間女王争いに影響を与える可能性がある。
そんな日本勢を迎え撃つのが、今季メジャーで2勝ずつ挙げているネリー・コルダ(米国)とユ・ヘラン(韓国)である。CMEグローブポイントでもコルダが1位、ユ・ヘランが2位につけており、米女子ツアー年間女王争いのライバル同士でもある。今季メジャー3勝目を狙う両者にとっても負けられない一戦となる。
そのほかにもCMEグローブポイントランキング上位には実力者がそろい、誰が優勝しても不思議ではない。初日から好位置につけられるかが4日間の戦いを左右するだろう。大胆さと慎重さを兼ね備えたマネジメントが求められる世界最高峰の頭脳戦で、日本勢17人がどのような戦いを見せるのか注目される。
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