初日はフェアウェイキープ率100%も
アメリカ女子ツアー遠征中の渋野日向子。シンガポール、タイとアジアでの2連戦を終えて出場したのがピュアシルク選手権。4月上旬のANAインスピレーション以来となるアメリカ本土での出場となった。

大会前は1週間のオフを過ごした渋野だが、「毎日ロサンゼルスでスイング調整やウェッジの距離感の確認を重点に置いて練習をしていた」という。試合前のWOWOWのインタビューでは、「フェアウェイをしっかりキープして、獲れるところをしっかり獲って、ボギー以上を打たないように気をつけたい。4日間、回れるように頑張りたい」と意気込みを語っていた。
初日はフェアウェイキープ率100%とティショットの安定感は抜群だったが、セカンドの精度を高めたいと反省。それでもスコアは70の1アンダーの24位タイ発進。2日目はショットが乱れ75の通算3オーバーとしたが、畑岡奈紗、野村敏京、上原彩子、山口すず夏の日本勢の中で唯一、予選を通過した。

すると3日目には別人かのようなプレーで怒涛のバーディーラッシュ。スタートの1番でボギーを叩くも3、4番で連続バーディー。さらに、7番から9番まで3連続バーディー。後半も12番をバーディー、13番をボギーとしたが、15番パー5では3打目を入れてイーグルを奪取。最終18番でもバーディーを奪って、1イーグル・7バーディー・2ボギーの64と会心の内容。16位タイまで一気に順位を上げた。
最終日にもこの流れを持ち込みたいところだったが、3バーディー・6ボギーの74とし、最終的に通算1アンダーの31位タイで大会を終えた。
プレーを終えた渋野は、「何をやってもダメでした」と落胆した表情を浮かべ、最終日にスコアを落とした要因は上位争いでのプレッシャーではないと言う。「ただ単に完全に下手くそなだけです。(3日目の)7アンダーなんてなかったことになっちゃうくらいの内容。今日のプレーが実力だなって受け止めるのも大事だなって感じました」。

やはり今の渋野が求めているのは、好不調の波を静めることだろう。一日だけビッグスコアを叩き出しても、そう簡単に勝たせてもらえないのがアメリカツアーだ。
ただ、悩んでばかりもいられない。次は2週後の全米女子オープン(6月3~6日、カリフォルニア州、ザ・オリンピッククラブレイクコース)が控えている。渋野に期待してしまうのは、コロナ禍で開催が遅れた2020年12月の前回大会で優勝争いに加わり、4位に入っているからだ。海外メジャーで好成績を収めてきた姿を再び期待したいところでもある。
「今の自分の実力を最大限に発揮できるように、しっかり準備をして、4日間を戦い抜きたい。最終日にいいパフォーマンスができるように頑張りたい」。
今週はそのための調整にあてるという。昨年のように熱い優勝争いを日本のゴルフファンは期待している。