目前で逃し続けた2勝目、今大会こそ
スタートの1番ホールで、カラスの足跡のバンカーにつかまった。
「またついてないな…」とは森田遥の心の声。というのも、昨日は出だし10番から13番までに3つボギーを叩き、今日もまた悪い流れが続くのではないかという不安が頭をよぎった。

「バンカーに3本足(3本指)がズラッと並んで、その中にボールが入ってしまいました。朝一番から競技委員の方を呼んだのですが、フェアウェイ以外はそのまま打たないといけないということで、やむなく出すだけでした」
1番をどうにかボギーでしのぐと、6番(パー4)からは怒涛の4連続バーディー。6番は3.5メートル、7番(パー5)は2メートル、8番(パー3)は3.5メートル、9番(パー4)は5メートルと難しい距離のパットがおもしろいように入った。
「3連続で(バーディーが)取れて、そのあと(9番)もいい感じでいけました。基本的にはパッティングがよくて、自分が思うところに出せていれば入るという感じがある。流れは作りやすかったです」
後半も11番(パー3)、14番(パー5)でバーディーを奪取。しかし15番(パー4)はセカンドショットが右手前の池につかまってボギー。それでもどうにか残りのホールをパーでしのぎきり、通算7アンダーで単独2位に浮上した。

2020年の森田は不調にあえいでいた。13試合に出場して、10試合予選落ち。だが、今年は絶好調と言っていいだろう。ダイキンオーキッドレディスでは単独2位、翌週の明治安田生命レディスヨコハマタイヤゴルフトーナメントでも3位タイに入るなど、トップ10入りは4回。2017年・北海道meijiカップ以来のツアー2勝目も目前に迫ってきた。
「北海道の洋芝は結構好きです。単純にコースもきれいだし、グリーンの延長という感じがして、ターフが取れるところも好きです」
ゴルフは楽しくプレーするもの――と思い出させてくれた北の大地で、2度目の優勝を狙う。