勝利の秘訣は筋トレストップ!? 今平周吾がシーズン初優勝

国内男子プロゴルフ・フジサンケイクラシックで2018年、19年の賞金王・今平周吾が今シーズン初勝利。今まで勝てなかった原因は筋トレのやりすぎだった!?

3打のビハインドから逆転し4打差圧勝

◆国内男子プロゴルフ<フジサンケイクラシック 9月2日~5日 富士桜カントリー倶楽部(山梨県)7566ヤード・パー71>

 今平周吾が、3シーズン連続の賞金王タイトルに向かって鮮やかな逆転劇を演じた。

なかなか勝てなかった今シーズンだが、直近の試合ではトップ10を重ねていた 写真:JGTO images

 国内男子ツアー、フジサンケイクラシック最終日は、首位の石川遼に3打差の通算5アンダー3位タイでスタートした今平が、7バーディー、ノーボギーの64でプレーし、通算12アンダーで優勝した。

 フロントナインはジワリ、ジワリと攻めていった。同じ最終組で回る石川、2位の池上憲士郎が一進一退でプレーするフロントナインは、2番でまずバーディー奪取。標高約1000メートルで飛距離が出る富士桜CCとはいえ、535ヤードのパー4と難易度が高い5番でも、賞金王の技が冴えた。

 第2打をグリーンオーバーさせたが、20ヤードの難しいアプローチは、ワンクッション入れてのチップイン。この日、プレーしていた64人中唯一のバーディーを奪って、ライバルたちを脅かした。

 中盤、ショットがまとまらない石川が、9番、10番と連続ボギーで6アンダーと後退。7番、9番バーディーで8アンダー首位に立った池上に対し、11番のバーディーで並んだ。続く12番もバーディーとして単独首位。今平の中には、首位の石川以上に同い年の池上へのライバル心が強烈に燃えていた。

 練習ラウンドも一緒に回った間柄の“同級生”は、シードを取ったこともない。一方の今平は2018、19年と2年連続で賞金王に輝き、20-21年統合シーズンは、尾崎将司(1994~98年=5年連続)、片山晋呉(2004~06年)に続く3シーズン連続の王座がかかっている。絶対に負けたくなかった。

 今平はさらに14番、15番の連続バーディーで通算11アンダー。池上も16番で取り返し2打差に迫る。だが、今平は大詰めの17番バーディーでとどめを刺した。結果、18番ボギーの池上に4打差での圧勝となった。これがシーズン初勝利。コロナ禍で昨年試合が少なかったとはいえ、待ちに待った優勝だった。

 2年連続賞金王の実力者が今シーズン勝てなかったのには理由がある。さらに上を目指して行った筋トレが仇となった。何よりも大切な距離感が、筋肉がついたことで微妙に狂ってしまったからだ。生命線ともいえるアイアンの精度が狂っていたことに気が付き、軌道修正したことで結果が出た。

 次週は試合がないが、2週後のANAオープン(16~19日、北海道・札幌GC輪厚C)からは、試合が連続する秋の陣。賞金ランキング6位に浮上した今、今平が狙うのは頂点しかない。

 2位は通算8アンダーで石川、池上。通算6アンダー4位に金谷拓実、通算5アンダー5位タイには木下稜介、ショーン・ノリス、チャン・キムが入っている。

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