2度の災厄にも負けず復活した伝統のトーナメント
無観客だが、それでも今年は開催できる。北の大地、北海道で16日に開幕するANAオープンは、他のトーナメント以上に復活が喜ばれている。

昨年、コロナ禍によって中止となったのは他の多くの大会と同様だが、2018年にも中止を余儀なくされた経緯があるからだ。理由は、大会直前に起きた北海道胆振東部地震。マグニチュード6.7で、土砂崩れや大規模停電などを巻き起こした天災の影響だった。
原因は天災、疫病と異なるが、3年で2度も中止を経ながらも、今年は47回目開催にこぎつけた。
2年越しのディフェンディングチャンピオンは浅地洋佑。2012年の大会覇者である藤田寛之、JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品で初優勝を飾った片岡尚之と同じ組での予選ラウンドから、連覇を狙う。
現在、賞金ランキング首位の星野陸也は、同ランキング3位で今季海外経験をさらに重ねた金谷拓実、アンソニー・クウェイル(豪)と共にスタート。持ち前のダイナミックなゴルフで大会初優勝に挑む。
ランキング2位で星野を追う木下稜介と同組は、2015年覇者の石川遼と、Sansan KBCオーガスタ優勝のスコット・ビンセント(ジンバブエ)。大会3勝目、シーズン初優勝を目論む池田勇太の予選ラウンドは、香妻陣一朗、小田孔明と同組だ。
47年の歴史を誇る老舗トーナメントの初代王者は尾崎将司だ。尾崎は1983年の第1回大会以来、7回優勝しており、大会最多を誇る。最後の優勝は、第1回から19年の歳月を経た2002年のこと。トッププレーヤーとしてツアーを引っ張った期間が長いことを、この大会の歴史と共に示している。
尾崎の次に勝利数が多いのは中嶋常幸の4回だ。杉原輝雄、倉本昌弘の永久シード選手2人がこれに続き、池田はここに並んでいる。
47代目の大会王者の座を争い、秋の北海道を舞台にした戦いの行方から目が離せない。