「かっちゃんだけ違うスポーツをしていた」
雨天により4日に順延された日本女子オープンの最終日。渋野日向子は1バーディー・3ボギーの73とスコアを伸ばせず、大勢のギャラリーの前であまり笑顔は見せなかった。

「何度かチャンスはあったけど、パットを決めることができなかった。フラストレーションが溜まるゴルフ。結局、今週もチャンスをものにできないヤツだなと思った。4日間を通じて、安定したプレーができていない。まだ優勝できる感覚はつかめていないですね」
4日間のゴルフをそう振り返った渋野。通算2アンダーの5位タイと調子が上向いているのは確か。9月の住友生命Vitalityレディス東海クラシックで4位タイ、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで8位タイ、そして日本女子オープンで5位タイと3週連続でトップ10入りした。
渋野も「自分のやりたいスイング、打ちたい球が打てるようになってきた」と スイング改造の成果が本番で実を結びつつあることを実感していた。
大会は同い年の勝みなみが通算14アンダーで圧勝。それについては「かっちゃんだけ違うスポーツをしていた。(1998年度生まれの)“黄金世代”の道を切り開いた第一人者。アマチュアのころは『勝みなみ』というと『やべぇ人だ』みたいな感じがあった。(アマチュア時代にプロツアーで優勝し)違うところで戦っている感じもあった」と振り返る。最終的に勝とは12打差。悔しくないわけがない。
勝とはプロになって仲良くなった間柄だ。それでも同じ土俵で戦うときはライバルに変わる。祝福の気持ちがある一方で、負けられないという刺激もある。
「これからもやるべきことをやるだけです。この悔しさをいつか『あんなこともあったな』と思えるような結果を残せるように頑張りたい」
11月末からの米女子ツアー予選会を控え、それまでに欲しいのは会心の内容といえるプレーと結果。今週8日から開催されるスタンレーレディスで雪辱を果たしたいところだ。