過酷なサバイバルゲームに挑む渋野日向子 2連勝で弾みをつけられるか?【今週、富士通レディース】

先週のスタンレーレディスで復活を印象付ける勝利を飾った渋野日向子だが、今シーズンの勝負どころは年末にやってくる。米ツアー出場権を争う予選会に挑戦するからだ。今週の富士通レディースで2連勝を飾り完全復活、年末に向けて弾みをつけられるか注目だ。

プレーオフでの正確無比なショットで復活を印象付けた

◆国内女子プロゴルフ<富士通レディース 10月15~17日 東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県) 6679ヤード・パー72>

 久々の優勝でトレードマークのスマイルを取り戻した渋野日向子が、シーズン終盤アクセルを踏み込んでいる。その先にあるのは、米ツアーで活躍する青写真だ。

最も輝いていた時期の屈託のない笑顔をすっかり取り戻したように見える渋野日向子 写真:Getty Images

 4人によるプレーオフとなった先週のスタンレーレディスでは、18番で3回も正確なサードショットを放ち、約1年11カ月ぶりに優勝。その瞬間こそ両手で顔を覆って涙を流したが、すぐに満面の笑みを浮かべて喜びに浸った。

 失いかけていた自信と笑顔を取り戻して臨むのが、15日からの富士通レディス。渋野はこの大会、意外にも初出場となる。

 2018年にプロとなった渋野は、翌19年に全英女子オープンで優勝してブレーク。賞金女王争いまで演じたが、この大会には出場していない。

 翌20年は思いがけないコロナ禍で思い切ったスケジュールを組んだ。ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ8月の全英女子オープン出場後、そのまま米国に渡って、開催時期が変わった9月のANAインスピレーション、10月のKPMG全米女子プロ選手権と、メジャー大会に出場しており、やはり富士通レディース出場はかなわなかった。

 コロナ禍によってロングシーズンとなった20-21年は、前述した20年の遠征だけでなく21年に入ってからもメジャーを含めた海外参戦を行ったため、出場試合数は16と決して多くない。スイング改造しながらのプレーでもあり、賞金ランキングは現在33位(獲得賞金5238万8975円/10月14日現在)と、タイトル争いをする位置ではない。

 だが、シーズン終了後には大事な戦いが待っている。来季の米ツアー出場権を争うQシリーズだ。渋野は、19年の全英女子オープン後は海外への興味をあまり示さず、優勝したことで得られた米ツアー出場権を行使しなかったが、その後、気持ちが変わった。昨年末のQシリーズ挑戦を決めていたが、コロナ禍で中止になるまさかの事態で、今回は2年越しの挑戦となる。

 8月9日時点のロレックス(女子世界)ランキング75位以内という資格で、第1、第2ステージを免除され、この12月、ファイナルステージに当たるQシリーズでプレーする渋野。ここには、米ツアーのポイントランキング101位から150位タイまでの者、下部のシメトラツアー賞金ランキング11位から35位タイまでの者、渋野同様世界ランキング75位までの者(10人以内)と欧州女子ツアー賞金ランキング4位までの者が出場権を持つ。さらに、ステージ1、ステージ2を勝ち上がった者らが集結。

 4日間72ホールで一度予選カットがあり、翌週、さらに4日間72ホールが行われる144ホールの過酷なサバイバルゲームが繰り広げられる。

 USLPGAのツアーメンバーになれるのは、上位45人。20位以内はツアー出場の機会を得られ、それ以下もシメトラツアーには出場できる。渋野は、万が一20位以内に入れなくても、シメトラからの下克上を狙う覚悟まで口にしているだけに、大切な戦いとなる。

 力をつけ、自信を深めるためには、その前の日本ツアーで結果を出すしかない。スタンレーの優勝で肩の荷が一つ降りた渋野が、初めてプレーする富士通でどんなプレーを見せるのかが楽しみだ。

未勝利ながら賞金ランキング5位の西郷真央にも注目

トータルドライビング1位、パーオン率4位など、ショット力はツアートップクラスの西郷真央 写真:Getty Images

 賞金女王争いも徐々に佳境に入ってきた。1位・稲見萌寧、2位・小祝さくら、3位・西村優菜、4位・古江彩佳、5位・西郷真央、6位・申ジエというのが現在のランキング。中でもアマチュアだった19年にこの大会で初優勝を飾ってプロに転向し、昨年も2位タイの古江は、主催の富士通の所属選手でもあり、気合が入る。

 ディフェンディング・チャンピオンは6位の辛で、こちらも連覇に意欲を燃やしている。ランキング5位の西郷はツアー未勝利だが、優勝せずにこの位置にいることでも分かる通り、シーズンを通じて安定したプレーを見せている。日本女子プロ2位、日本女子オープン2位タイと公式戦2つで優勝争いをしている実力もあるだけに、待望の初優勝にターゲットを絞っている。稲見、小祝、西村らも含めた今季絶好調の面々と、渋野の戦いの幕は、間もなく切って落とされる。

【写真】ほんとに苦しかったんだなあ 渋野日向子の泣き笑いをプレーバック

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