中止と聞いた瞬間に前日の3パットが浮かんだ
富士通レディースの第2ラウンドを終えた時点で、渋野日向子は通算11アンダーの単独3位。最終日は最終組からのスタートで、逆転優勝のチャンスも十分にあった。

しかし強い雨は止む気配を見せず、コースコンディション不良のため午前10時45分に中止が決定。通算12アンダーのトップタイで並んだ古江彩佳と勝みなみのプレーオフで勝者が決することとなり、渋野は1打差で2週連続優勝を逃した。
中止のアナウンスが流れると「あー、3パットー!って思いました(笑)」と、第2ラウンドの13番でボギーを叩いたことを悔やんだ渋野。
「予報ではできるんじゃないかとやる気満々で来たので、後悔は感じながら過ごしてきたわけじゃないですけど、中止って聞いた瞬間に3パットが思い浮かんできました」
古江彩佳、勝みなみと最終組からバーディー合戦となったであろう見どころ満載の勝負の行方は、降雨による中止で文字通り水を差された形となった。
実際、多くのゴルフファンにとっても渋野が2週連続優勝を成し遂げるのか、見届けたかった人も多いはずだ。
もちろん渋野も勝ちを意識していただろうが、天候による中止の判断は受け入れざるを得ない。
「どうせなら私の12アンダーで前日を終えて、3人でプレーオフしたかったなっていう思いもあるんですけれど、やり切ったなっていうふうには思います」
9月から5試合連続でトップ10入り
優勝は逃したが最終的には3位。9月から5試合連続トップ10入り(優勝含む)していることについては「そこは私的にはすごくうれしい。最終日できなかったことはすごく悔しいですけれど、それでもいい位置で終えられているのは、結果的に見ると最近の私としては安定しているのでうれしいです」と笑顔を見せる。
中止の間は、「ポケモン」の塗り絵をしていたことも明かしていた渋野。
「塗り絵って心を落ち着かせるとか、何も考えないのにはすごくいいと聞いたので。マネージャーさんの家族が優勝祝いで168本の色鉛筆を買ってくれたので、それでやっていました」
そうして心は落ち着かせながらも、できるなら最後まで試合がしたかっただろう。それにしても最近の渋野のプレーは確実に安定し、勝利への意欲の高まりも感じる。再び勝利をつかむ日は近いはずだ。