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- ベテランの高山忠洋がどん底から復活!来季の賞金シードを確定させる
目の病気による特別保証制度の適用を受けたものの、条件をクリアできずに今年のシード権を手放した高山忠洋。しかし、主催者推薦などを利用し、コツコツと獲得賞金を加算。日本オープンで3位タイに入り、獲得賞金額が2600万円を突破。来季のシード権をほぼ確定させた。
目の病気で約2年間ツアーから離れていた高山忠洋
ツアー通算5勝を挙げている43歳のベテラン・高山忠洋が、最終日に5バーディ、2ボギーの68をマーク。通算11アンダーまでスコアを伸ばし、前日の11位タイから3位タイにまで順位を上げた。
「今週はナショナルオープンに相応しい苦しさでした。2日目からピンの位置が難しくなったうえに、グリーンのコンパクションとスピードがどんどん上がってきたのが理由です」と振り返った高山。最終日は雨の影響もあって多少はボールが止まるようになり、グリーンのスピードが落ちたものの、強風が難易度を上げたという。
「このコースは風が呼吸するんですよね。違う方から吹くというか、舞っているような感じです」。風がなければピンを厳しい位置に切られてもデッドに狙っていける。しかし、右からの風が急に左からの風に切り替わる状況では、近くに寄せることはかなり難しかった。そんな状況での好スコアだけに満足気な表情を浮かべたが、ここまでゴルフの調子を上げてくることは決して容易ではなかった。
18年7月、右目に水がたまる“中心性漿液性脈絡網膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう)”が突然高山を襲う。その後の試合は欠場し、12月に手術を受けた後、リハビリ期間に入る。
19年は全試合欠場し、20年のフジサンケイクラシックから復帰した。公傷として特別保証制度が適用されたため、そこから今年のアジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフまでに一定額の賞金を稼げば、シード選手として復活できることになっていた。
ところがシードまで約57万円足りなかったことで、17期連続で保持していたシード権を失うことに。主催者推薦や予選会を突破することで試合に出場し、賞金シードを獲得するしかツアーに復帰する道がなくなった。しかし、このことが逆に高山の気持ちを奮い立たせる。
ゴルフ日本シリーズJTカップ出場まで視野に入る
7月の日本プロゴルフ選手権で9位タイに入ると、長嶋茂雄invitationalセガサミーカップでは30位タイ、Sansan KBCオーガスタでは24位タイ、フジサンケイクラシックでは8位タイに入る。この4試合だけで695万9285円を獲得。それまでに稼いでいた785万2083円と合わせると1481万1368円となり、シード復活に向けて大きく前進した。
「推薦をいただいたプレッシャーと予選通過しなければという思いが、最後まであきらめない気持ちにつながったからだと思います」と好調の理由を振り返る。
ただ、すべてのショットに全力を出し過ぎたこともあり、疲労の蓄積も相当なものだった。それが影響してここ3試合は予選落ちを喫していた。
そんな状況で迎えた3年ぶりの日本オープンだったが、けっして相性がいいわけではなかった。過去14回出場して予選通過したのは8回しかない。しかもトップテンに入ったことは2回のみで6位が最高位だった。
日本オープン特有の難しいコースセッティングに自分のゴルフスタイルを合わせることができなかったのだろう。しかし、今年は1ストロークを大切にする気持ちで臨み、ミスをしても最後まであきらめない姿勢を持ち続けた。目の前の1打に集中することで、気がつくと11アンダーという好スコアをマークしていた。
ツアーを休む前には技術的にできていたことが、今はできなかったりするのが悩みだという。数年間のブランクは予想以上に大きかったようだ。今はそのギャップと戦っているところだが、今大会で3位タイに入ったことで、今季の獲得賞金額も2664万1368円にまで達した。シードを確定したどころか、最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップ出場まで見えてきたのだ。
「できれば、今後は優勝争いに絡みたいですし、自分が中心となってトーナメントを動かしていく状況を作りたいですね」と目標を語った高山。どん底の状況からはい上がった男の逆襲はまだまだ続きそうだ。
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