【ZOZO】トップ25までに日本選手は3人…PGAツアーのピン位置に苦戦する理由とは?

2年ぶりの国内開催となったPGAツアーのZOZOチャンピオンシップ。松山英樹が米ツアー通算7勝目を飾ったものの、ほかの日本選手は金谷拓実の7位タイが最高で、トップ25には他に2人が入っただけだった。その理由はピン位置にあったというが……。

フルメンバーの試合なら日本人選手の順位はもっと下がっていた

◆米国男子プロゴルフ<ZOZOチャンピオンシップ 10月21~24日 アコーディア・ゴルフ 習志野カントリークラブ(千葉県) 7041ヤード・パー70>

 今年のPGAツアー・ZOZOチャンピオンシップは2位以下に5打差をつけた松山英樹が通算15アンダーで優勝した。その裏で、18人出場していた他の日本選手はどうだったのだろうか。

高い弾道でピンをデッドに習う技術が要求されるピン位置だったZOZO選手権 写真:Getty Images

 結論からいえば、金谷拓実が最終日に66をマークして通算5アンダーの7位タイに入ったのが最高で、通算2アンダーの18位タイに2年連続賞金王の今平周吾とPGAツアーで戦った経験がある岩田寛が入った。その他の日本選手は残念ながらトップ25に入ることはできなかった。

 2年ぶりの日本開催、芝にも慣れているし、時差ボケもないはずだが多くの選手がスコアメークに苦しんだ理由は何なのか。

 食事の問題もなければ、気候的にも米国から来た選手と比べれば遥かに順応できる。しかも、今回出場した人数は日本選手を含めても78人だ。予選カットがないぶん、出遅れても巻き返せるチャンスも十分あった。マイナス要素がほとんどない状況でこの結果は、残念というしかないし、厳しい現実として受け止めるのが妥当だろう。

 最終日に63をマークして、通算イーブンパーの28位タイにまで順位を上げた中西直人は次のように語っていた。

「78人しか出場していない中で、トップとの差が15打。通常の試合のようにフルに出場していれば(144人)、40~50位になっているんだろうと思います」

 選手層を考えればそれより順位を下げた可能性すらある。世界とのレベルの差を改めて知ったのは中西だけではないはずだ。その意味では数多くの日本選手が出場できたことはプラスだし、コロナ禍の中、国内でPGAツアーを開催できたことは大きな意味を持つ。

200ヤードをデッドに狙っていく技術が必要

 今回、通常の国内ツアーと異なるところがあるとすれば、ピン位置をPGAツアーが決めていたことだ。最終日は18ホール中12ホールでエッジから5ヤード以内に切られていた。見た目にもハードなピン位置だったが、単に表面的な問題だけではなかったという。

「PGAツアーのセッティングはグリーンの広いサイドに外すと、必ず下りのラインが残るので寄らないんです。ショットがそれほど悪くなくてもボギーが続く理由はそこにあります」と、先ほどの中西は語る。

 国内ツアーのセッティングだと、ピンが端に切られている場合、デッドに狙って失敗したらバンカーにつかまったり、下りのアプローチが残ったりすることが多い。そのためボギーを打ちたくないときは、あえてグリーンの広いサイドを狙うことが多い。もしくはピンと反対サイドに外したほうが、上りのラインが残る事が多く、アプローチしやすいのが一般的だ。

 ところが、今回は安全に攻めたほうがボギーを叩く確率が高いセッティングだったというのだ。

「だったら攻めていったほうが得で、守ったほうが損ですよね」と中西。最終日は攻めた結果、8バーディ、1ボギーだったという。

 PGAツアーの選手がアグレッシブなのは、そういったコースセッティングにあるのかもしれない。もちろん、国内ツアーのセッティングをすべてそうする必要はないが、何試合かはそういう考え方でピン位置を決めてもいいのかもしれない。

 また、「国内ツアーでは150~160ヤードの距離が多く残るので、その距離を頑張ればいいですが、PGAツアーの選手は200ヤードぐらいの距離でも同じようにピンを狙っていきます。長いクラブの精度を上げることの重要さを理解しました」と中西はいう。

 最終日の最終18番パー5で松山英樹は残り241ヤードを5番ウッドでピン上約3メートルにつけた。手前から転がして乗せたのではなく、高弾道の球をピンそばに落として止めていた。恐らく、同じ弾道を打てる選手は日本にはいないだろう。

 逆にいえば、PGAツアーで勝つためには、メジャーで優勝争いをするためには、これぐらいのショットを打たなければ通用しないんだよ、というメッセージとも受け取れる一打だった。

 今大会にも海外志向の日本選手が数多く出場していたが、彼らへのいい置き土産になったのは間違いない。

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